人は、ついつい人と比べてしまうものですが、それは老後の生活を支える「公的年金」についても同じ。平均値と比べ一喜一憂する……高齢者が実際に受け取っている年金のリアルをみていきましょう。
平均月17万円だが…「どこの国の話ですか?」首をかしげる、元サラリーマンのリアルな年金事情 (※写真はイメージです/PIXTA)

元・サラリーマンのみなさん、年金、いくらもらっていますか?

会社員を引退すると、多くは年金と貯蓄を取り崩して生活するようになります。だからこそ、いくらくらい年金がもらえるのかは、誰もが気にするところ。

 

厚生労働省『令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、厚生年金保険(第1号)受給者数は 3,588万人で、平均年金月額 は併給する老齢基礎年金を含めて14万6,000円。まだ65歳の男性に限ると16万9,006円。同じく65歳以上の女性では、平均月10万9,261円です。

 

元サラリーマンの年金、月17万円。これが平均値。しかし、

 

ーーえっ、みなさん、こんなにもらっているんですか? どこの国の話ですか?

 

そんな声も聞こえてきます。老齢厚生年金を受給する男性、1,082万人の年金受取額について、その分布を1万円単位でみていくと、ボリュームゾーンは「17万~18万円未満」で96万5,471人。「18万~19万円未満」95万3,315人、「16万~17万円未満」90万3,637人。元会社員の4人に1人が、月年金受取額「16万~19万円未満」です。

 

さらに「年金月20万円」を超える、「現役時代に勝ち組だったんだろうなぁ」という人たちが243万人。全体の22.5%。元会社員の4~5人に1人という水準です。

 

一方で「年金10万円に満たない」元会社員は118万人で、10人に1人という水準。少数派ではありますが、確かに平均受取額を聞いて「どこの国の話?」と首を傾げてしまうのも仕方がないかもしれません。

 

【元サラリーマンの「月年金受取額」の分布】

・10万円未満:10.99%(1,188,651人)

・10万~11万円未満:3.32%(358,936人)

・11万~12万円未満:4.14%(446,960人)

・12万~13万円未満:4.90%(529,551人)

・13万~14万円未満:5.79%(624,724人)

・14万~15万円未満:6.72%(725,289人)

・15万~16万円未満:7.56%(815,769人)

・16万~17万円未満:8.37%(903,637人)

・17万~18万円未満:8.94%(965,471人)

・18万~19万円未満:8.83%(953,315人)

・19万~20万円未満:8.15%(880,009人)

・20万円未満:22.56%(2,435,901人)

 

出所:厚生労働省『令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』より算出