現実資産(RWA)のトークン化とは?
暗号資産関連のニュースで「RWA」というワードをよく見かけるようになりました。多くの人は「RWAってなに?」と疑問に思っているでしょうが、RWAは次の暗号資産ブームを呼び込むかもしれない重要なテーマとして関心が高まっています。
RWAとはReal World Assetsの略で、日本語では現実資産を意味します。たとえば、不動産やコモディティ、アート、自動車、ワイン、時計、最近ではトレーディングカードなど、物理的な価値を持つ資産のことを指し、暗号資産業界ではこれらの資産をトークン化しようとする動きが増えています。
暗号資産投資をすでに始めている方は「セキュリティトークンと何が違うの?」と思うかもしれません。セキュリティトークンは、株式や債券、不動産などをトークン化するものとして数年前から議論されており、日本では金融商品取引法で有価証券として定義づけられています。
RWAがフィジカルな資産であるという点ではセキュリティトークンと異なる部分もありますが、最近ではRWAがセキュリティトークンを含む形で(要は株式や債券などもトークン化の対象として含めて)一大テーマになっています。
RWAという言葉は暗号資産業界が上手く広めたバズワードくらいに捉えてもらえれば大丈夫ですが、それをきっかけに現実のあらゆる資産をトークン化し、デジタルアセットとしてブロックチェーン上で管理しようという動きが加速しているのです。
なぜ現実資産をトークン化する必要があるのでしょうか。次のようなメリットが期待されています。
【現実資産をトークン化するメリット】
- 流動性の向上
- 取引の効率化
- 少額投資
- 透明性の向上
- 新たな金融商品
たとえば、不動産は数千万円から数億円以上の高値で取引されており、売り買いしようと思ってもすぐに取引が成立するものではありません。しかし、その価値をトークン化することによって本来は高価で非流動的な資産を小口から円滑に取引することができます。
また不動産の取引では契約から決済までに多大な手間がかかりますが、トークン化すればブロックチェーン上で取引の決済から管理、追跡までを効率的に行うことができます。
このように話すと「不動産投資信託(REIT)ではダメですか?」と聞かれることがありますが、ある不動産のトークンが、単に市場で取引されるだけでなく、分散型金融(DeFi)をはじめとするブロックチェーン上のさまざまなサービスで流通しうることにこそ最大の違いがあります。