メディアを通じた二次情報は「補完的」に活用する
最後に挙げるのは、メディアを通じた二次情報です。
これはもっとも目にしやすい情報ですが、玉石混交で重要度が低い情報であるケースが大半です。メディアには、どうしても「面白くて注目を浴びる記事を書く」という意識が働きます。その情報はメディア側で「編集」され、強調される部分とそうでない部分が生じ、情報に偏りが出てくることが否めません。
経営者に直接インタビューした記事などは例外的に、定義の仕方によっては一次情報に近く、重要で貴重な情報を得るソースにもなり得ます。しかしいずれにしても、記事はメディア側の編集を経ており、メディアと取材対象の経営者との関係性によってもインタビューでの踏み込み方に差が出るため、そこに書かれていることを鵜呑みにしてはなりません。
メディアを通じた二次情報は、「補完的に使う」ことでこそ、その真価を発揮します。
法定開示や適時開示は、財務・会計などの知識なしにはなかなか理解するのが難しい部分もあります。また、会社のホームページ上に公開された情報や、広報・IRの窓口に問い合わせることで得た情報には、前述したように良い面だけが強調され、悪い面が隠されている可能性もあります。
たとえば、株を買おうかどうか悩んでいる会社の決算発表が行われたとき、メディアによる二次情報でチェックすることは重要です。決算の内容を易しく正確に解説してくれるネット記事や動画などの二次情報は、とくに投資初心者にとっては非常に有益です。
ネットの情報が重要だといっても、SNSや掲示板にあふれる匿名個人の投稿には注意が必要です。情報源のよくわからない投稿は、投稿主の推測・意見・願望に過ぎず、あるいは投稿主が保有している銘柄の株価を上下いずれかに誘導するためのコメントであるケースがほとんどです。こうした情報は、投資判断の際にほぼ役立たないと考えていいでしょう。