最近よく耳にする、「推し活」。自分のイチオシを応援する行為ですが、趣味の範囲を超えた活動となってしまうと費用が嵩み、取り返しがつかないことにもなりかねません。本記事ではFP1級の川淵ゆかり氏が、妻が男性アイドルグループに憑りつかれたAさんの事例とともに、夫婦間の金銭トラブルについて解説します。
年収3,500万円の44歳美容外科医、再婚した「可愛い22歳年下妻」にカード、開業資金を使い込まれ…「実家を巻き込む大騒動」の末路【FP1級が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

開業を目指した美容外科医が年の差婚を選ぶまで

Aさんは美容整形外科に勤める年収3,500万円の勤務医です。いまは雇われている身ですが、将来は自分で病院を持って開業したいと思い、資産作りを考えている相談者の方でした。

 

そんなAさんは医学生時代から付き合っていた医師と20代のときに結婚しましたが、お互いの仕事の忙しさ等から数年で離婚してしまい、その後はずっと独身でした。しかし、40代を過ぎて寂しさを感じたころに飲み会の席で知り合った若い女性と再婚します。このとき、Aさんは44歳、相手の女性は22歳という年の差婚でした。

 

Aさんは美容外科にやってくる若い女性を見てもなんとも思わなかったのですが、再婚した女性は特別でした。美容整形などには興味がないようで、前の奥さんとは正反対の明るく楽しい性格が可愛いらしく、非常に新鮮に感じて結婚を決意した、とのことでした。

結婚して発覚した妻の趣味

さて、結婚すると相手の知らない面が見えてくるものですが、Aさんも結婚して初めて奥さんの趣味を知り、愕然とします。その趣味とは「アイドルの追っかけ」。Aさんの奥さんは、あるイケメンアイドルグループの熱狂的なファンで、いわゆる「推し活・追っかけ」に励む人間だったのです。

 

「推し活」とは、自分がイチオシする対象に対して応援する活動のことをいいます。応援する相手はアイドルや俳優、声優といった人間だけとは限りません。二次元のアニメやゲーム、漫画のキャラクターだったりすることもあります。世の中のお父さんのなかには、若者のこういった応援対象がよくわからなくて話が合わない、と感じている人も多いのではないでしょうか。

 

さて、自分よりもはるかに若い二枚目の男性に熱中する妻の姿を見るのは夫としては腹立たしいものです。Aさんも仕事から疲れて帰ってくると大画面のテレビでコンサートのDVDに熱狂している妻の姿を見る度にイライラが増すようになっていました。

 

しかし、テレビの前でキャーキャー言っているうちはまだよかったのです……。