ベネッセが中高生に実施したアンケートによると、現役中高生のなりたい職業の1位は「教師・教員・大学教授」でした。また、職業別の平均年収ランキングでは10位(小・中学校教員)と、収入面でも魅力的な「教師」という職業ですが、現役東京西徳洲会病院小児医療センターの秋谷進医師は「教師が抱える健康リスク」について警鐘を鳴らします。教師という職業の「収入面」と「健康面」を詳しくみていきましょう。
年収739万円、中高生の憧れだが…「やめたい」「きつい」教師につきまとう健康リスク【医師が警告】 (※写真はイメージです/PIXTA)

年収は高いが…教師という職業は「割にあわない」?

ここまで、教師という職業を見てきてどのように感じましたか?

 

平均年収をみると高収入に感じますが、その分「身を削って」働いているといえます。教師という職業の年収と健康リスクを鑑みると、割にあわないのでは……と感じた人も少なくないかもしれません。

 

生徒たちのために奮闘する教師という職業。本当に尊敬します。社会全体の水準を高めるのにも欠かせない職業だと思いますし、これからも頑張ってほしいです。

 

だからこそ、教師が「なりたくない」職業にならないように、みんなでもっと教師を認め、精神的負担を強いるようなことがないようにしたいものです。

 

教師の質がもっと高まり、いい人材がもっと教師になり、その教師が人を育て社会全体がよりよい人材にどんどん活性化される……そんな社会になっていくことを心から願っています。

 

 

秋谷 進

東京西徳洲会病院小児医療センター

小児科医

 

【参照・参考文献】

・国税庁「民間給与実態統計調査」(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan/top.htm)

・厚生労働省Jobtag「中学校教員」(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/180)

・厚生労働省Jobtag「小学校教員」(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/179)

・厚生労働省Jobtag「高等学校教員」(https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/183)

・Teachers’Health.DtschArzteblInt.2015May;112(20):347–356.(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4558646/)

・Long working hours and psychological distress among school teachers in Japan.J Occup Health 2015;57:20–27(https://www.jstage.jst.go.jp/article/joh/57/1/57_14-0127-OA/_html/-char/ja)

・文部科学省「令和元年度学校教員統計調査」学校教員統計調査-令和元年度(確定値)結果の概要(https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kyouin/kekka/k_detail/1395309_00001.htm)

・文部科学省令和3年度公立学校教職員の人事行政状況調査について(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/jinji/1411820_00006.htm)

・文部科学省公立学校教員採用選考(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/senkou/1243155.htm)

・e-stat.政府統計の総合窓口.統計で見る日本.令和3年賃金構造基本統計調査(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450091&tstat=000001011429&cycle=0&tclass1=000001164106&tclass2=000001164107&tclass3=000001164111&tclass4val=0)

・教員環境の国際比較.OECD国際教員指導環境調査(TALIS)2018報告書(https://www.nier.go.jp/kokusai/talis/pdf/talis2018_summary.pdf)
・文部科学省.「教員不足」に関する実態調査(

https://www.mext.go.jp/content/20220128-mxt_kyoikujinzai01-000020293-1.pdf)

・佐野秀樹,蒲原千尋.教員ストレスに影響する要因の検討.東京学芸大学紀要2013;64:189-193(https://core.ac.uk/download/pdf/15925628.pdf)

・中澤篤史.部活動顧問教師の労働問題.日本労働研究雑誌2017;688:85-94(https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2017/11/pdf/085-094.pdf)

9.神谷拓『運動部活動の教育学入門─歴史とのダイアローグ』大修館書店,東京,2015