毎年、誕生月に手元に届く「ねんきん定期便」ですが「初めてきちんと確認した」という人からは、戸惑いの声が聞こえてくることもあるようです。みていきましょう。
思わず二度見しました…月収32万円・40代サラリーマンが取り乱す「ねんきん定期便」に記された衝撃の年金額 (写真はイメージです/PIXTA)

40代のサラリーマン「ねんきん定期便」の金額に騒ぎ立てるだけ恥ずかしい

そんななか、「こんなに年金が少ないなんて……何かの間違いだ!」と大騒ぎする人がいるのも、「ねんきん定期便」に関わる、あるある話。

 

43歳・製造業のサラリーマンだという男性もそのひとり。それまで毎年届いても華麗にスルーしていましたが、40代になり老後の話もチラホラと出てきたため、今年はちゃんと見てみようと決めていたとか。そこに書かれていた金額に驚き、思わず二度見してしまったといいます。

 

厚生労働省の調査によると、製造業のサラリーマン(平均43.6歳)の平均給与は月収で32.6万円、年収で553.3万円。仮に20歳から働き、これまで平均的な給与を手にしてきたうえ、国民年金保険料の未納等もなしとすると、単純計算「月8万5,000円」程度の年金額が記されているでしょう。

 

厚生年金受給者の平均年金額は月14万円程度。それから比べると随分と低い金額です。「そんなのミスに決まってる!」と年金事務所に苦情の電話……このような人が多いというのです。

 

ただこれは完全に勘違い。50歳未満の「ねんきん定期便」に記されているのは、これまでの加入実績に基づく金額で「算出時点で保険料の支払いを一切やめたとしたら、いくら年金がもらえるのか」を計算したもの。男性の場合だと、20数年分、保険料を払った実績に基づく金額なのです。

 

一方で50歳以上のねんきん定期便に記されているのは、このまま60歳まで同様のペースで働いたとしたらを仮定した際の年金見込み額。実際に将来手にする年金に近い金額が記されています。男性の場合、今後も同じペースで働き、60歳の定年と同時に引退したとしたら、月17万円程度の年金を手にすることになるでしょう。

 

毎年届く「ねんきん定期便」ですが、一度も目を通したことがなかったり、すぐに失くしてしまったりということは多いもの。たとえば日本年金機構が提供する「ねんきんネット」であれば、電子版「ねんきん定期便」のほか、将来の年金見込額や年金記録の確認などが行えます。将来を見据えて準備を本格化させるなら、利用するのもおすすめです。