元気なうちに執り行う葬儀!? 「生前葬」を行うことによる意外なメリット~開催の流れや注意点も解説~

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株式会社ハウスボートクラブ
元気なうちに執り行う葬儀!? 「生前葬」を行うことによる意外なメリット~開催の流れや注意点も解説~
(※写真はイメージです/PIXTA)

本人が元気なうちに執り行う葬儀である「生前葬」。まだ社会的な認知度が低い生前葬ですが、開催にはどのようなメリットがあるのでしょうか? 本記事では、生前葬を行うメリットや開催の流れ、注意点などについて株式会社ハウスボートクラブの代表取締役社長・赤羽真聡氏が解説します。

「生前葬」とは?

生前葬(せいぜんそう)とは、本人の希望や意思に基づき、元気なうちに執り行う葬儀のことです。本人がまだ生きているとはいえ、当日は本葬のような本格的な祭壇を設け、親族はもちろん友人、知人など多くの参列者が招待されます。

 

2017年12月には、コマツ元社長で東京徳島県人会元会長の安崎暁さんが「感謝の会」を都内で開きました。開催にあたり、日本経済新聞社の新聞広告枠を活用したことで、大きな反響を呼びました。会場には親交がある人などとの思い出の写真が飾られたほか、出身地の徳島県にちなんで阿波踊りも披露されたとのこと。

 

安崎さんは、開催後の会見で「私の人生で巡り会った人に感謝を伝え、握手できたことに満足している」と語りました。

 

なぜ生前に葬儀を行うのか?

生前葬の目的は、自分が生きているあいだに、人生においてお世話になった方に感謝の気持ちを伝えることにあります。日常生活のなかでは、照れなどもあって家族や友人に面と向かってお礼の言葉を述べる機会は持ちにくいものです。しかし生前葬を執り行うことで、自分が周囲の人に対して思っている気持ちを、正直に伝えることができます。

 

また、生前葬は本人がまだ生きているので、必ずしも宗教色を強める必要はありません。晩年を迎えた方で、終活の一環として自分の趣向に沿った形で葬儀を執り行っておきたい、と考える人も多いようです。

 

生前葬の特徴

生前葬の特徴としては、無宗教で自由な形式で執り行われることが多いこと、儀式やセレモニーという側面よりもパーティや会食という側面が重視されていること、などを挙げることができます。

 

生前葬に決まったスタイルはなく、「葬」という語がついているものの、仏式、神式、キリスト式の葬儀のような、宗教者を呼んで厳かに執り行う……といったケースは少ないです。会場には、本人のこれまでの人生の軌跡を表す写真やゆかりの品々が合わせて展示されるのが定番となっています。また、本人と参列者がうちとけた雰囲気を作れるように、パーティや会食、宴会が同時に行われることも多いです。実施する際は、葬儀社やお別れ会の施行業者に依頼をします。

 

生前葬の会場として選ばれることが多いのは、実際の葬儀が行われるセレモニーホールをはじめ、ホテルや会館、レストラン、自宅などです。多くの知人や友人を招待する場合は、それに応じた広い式場を確保しなければなりません。

 

生前葬に招待されるのは、ご親族以外にも、仕事上お世話になった方や趣味・サークルで会った友人、学生時代の友人などが多いです。招待する際は、各人に案内状を郵送します。

 

 

生前葬当日の流れ(式次第)

自由な形式で行われるのが生前葬ですので、執り行うに当たっては慣例上のルールなどは基本的にありません。ただ、一般的な傾向としては、以下のような手順で行われています。

 

〇司会者による開式の言葉

 

〇ご本人の挨拶

 

〇ご本人のこれまでの人生、自分史の紹介

映像や画像を用いる場合は、事前に準備が必要です。

 

〇ご来賓の方のご挨拶

社会的な地位のある方にお越しいただいた場合、挨拶をお願いします。事前にお願いしておきましょう。

 

〇会食と歓談の開始

本人が各席を回って挨拶します。

 

〇ご親族や親しいご友人による本人への言葉

事前にお願いしておきましょう。

 

〇余興などの実施

招待された演奏家による演奏、ご親族やご友人による余興などが行われます。

 

〇司会者による閉式の言葉

ご本人が挨拶される際、参列者の方に対してなぜ生前葬を行うことを決めたのかをきちんと説明しましょう。自分史の紹介も、自慢話などではなく、周囲の人への感謝を込めた内容にすると、集まった方々にとっても充実した時間になります。

生前葬のメリットと注意点

生前葬にはメリットだけでなく、執り行うにあたって注意すべき点もあります。今後、生前葬のプランを考えるという場合、両方の側面をきちんと踏まえておく必要があるでしょう。ここでは、生前葬のメリットと執り行うにあたっての注意点をみていきます。

 

死後の葬儀で遺族の負担を減らせる「メリット」も!

生前葬の最大のメリットは、やはり「自分の口から感謝を伝えられる」ことでしょう。普段はなかなか言えないことでも、こうしたイベントがあれば言葉に出しやすく、素直な気持ちを伝えられるのではないでしょうか。

 

生前葬・感謝の会は、長年連れ添ったパートナー、数十年と付き合いのある友人、お世話になった恩人など、伝えたいことがある人に思いを伝える絶好の機会になります。内容についても自由度が高いので、自分の思いどおりの式ができるのもメリットのひとつです。招待客とワイワイ盛り上がったり、音楽や映像を流して楽しんだり、とことん自分らしさを追求できます。もちろん、宗教にのっとった儀式を行うことも可能です。

 

そして、生前に一度人生の区切りをつけておけるため、葬儀の際に遺族の負担を減らせるのもメリットです。遺族や周囲の理解は必要ですが、生前葬をした場合には死後は火葬のみで、そのままお墓に入ったり散骨してもらったりすることも珍しくありません。

 

まだ社会的な認知度が低いことによる「注意点」も…

生前葬の注意点のひとつが、家族の理解を得ることが難しい場合がある、という点です。本人が希望していても、執り行うには費用もかかるため、家族が承諾しない場合があります。生前葬は一般的な葬儀と同じく、家族の協力がなければ執り行えません。生前葬を行うのであれば、まずは家族にその理由や目的を理解してもらうことが大事です。

 

また、生前葬に対する社会的な認知度がまだ低いために、友人・知人に案内状を送っても意図を理解してもらうのが難しい場合もあります。現状、生前葬は市民権を十分に得ているとはいえず、本人が存命中に葬儀を行うということに、矛盾や疑問を感じる方もいます。

 

酔狂なことには付き合えないと、否定的な見方をする方もいるかもしれません。生前葬の案内状を送付する場合、生前葬をなぜ執り行うのかをきちんと説明しておかないと、誤解を受ける恐れがあります。

 

 

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