老後、お金に困らないようにするには、手持ちの金融資産を預貯金で寝かせず、運用・投資することがおすすめです。ただし、投資につきもののリスクを抑え、着実にお金を増やしていける金融商品を選ぶ必要があります。最も有効な方法の一つが「投資信託」です。その選び方について、ファイナンシャルプランナーの馬養雅子氏が監修した『人生100年時代 50代からのお金の基本』(新星出版社)より、一部抜粋して紹介します。
老後資金の準備は「投資信託」が基本!商品を選ぶときの「4つのポイント」【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

ポイント2|「インデックス型」のファンドを選ぶ

投資信託の説明書を見ると難しい言葉が並んでいますが、通常「投資信託」というときは「オープン型」の「株式投資信託」であることがほとんどです([図表3]参照)。

 

※1 必ずしも運用の収益の分配ではなく、元本を減らして分配することもあるので注意。  ※2 その期間の運用で生まれた利益を、次の運用期間の元本に組み入れて運用すること。
[図表3]投資信託の「型」による相違点

 

「オープン型」とは、いつでも売買ができる投資信託のことをいいます。一般投資家が購入できる投資信託の9割程度はオープン型です。

 

投資信託を購入するとき、選択すべきなのは、「インデックス型」か、「アクティブ型」か、です。

 

インデックスとは“指数”のことで、日本の株式であれば、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などがあります。インデックス型は特定の指数に連動した値動きを目指します。指数はいってみればその市場の平均値なので、平均値に相当するリターンが得られることになります。

 

一方アクティブ型は、ファンドマネージャーが投資する株や債券を厳選して、市場平均を上回るリターンを目指します。どの程度のリターンが得られるかはファンドマネージャーの腕次第です。

 

一般的に、インデックス型は、同じ指数に投資するものであればファンドごとの運用成績に差がなく、指数に連動しているため値動きがわかりやすいので、初心者向けといわれます。

ポイント3|「分配金再投資型」がベター

各ファンドは一定期間ごとに決算を行い、得られた利益をファンドの保有者に分配金として支払います。分配金は現金で受け取るか(分配金受け取り型)、それで同じファンドを買える口数分購入して再投資するか(分配金再投資型)を選べることがあります。

 

「分配金再投資型」のほうが運用効率が高くなり、資産を増やすことにつながります。なぜなら、その期間の運用で生まれた利益を、次の運用期間の元本に組み入れて運用する「複利」の効果が得られるからです。

 

なお、「分配金受け取り型」の場合、分配金は必ずしも運用の収益の分配ではなく、元本を減らして分配することもあるので注意が必要です。その意味でも、「分配金再投資型」をおすすめします。

ポイント4|低コストのファンドを選ぶ

投資信託にかかるコストは、リターンを押し下げるので、同じタイプのファンドならコストの低いものを選びます。投資の利益が非課税となる「つみたてNISA」(2024年開始の新NISAでは「つみたて投資枠」)は低コストのファンドのみが対象なので、その中から選ぶとよいでしょう([図表4]参照)。

 

[図表4]投資信託の様々なコスト

 

 

馬養 雅子

ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、一級ファイナンシャルプランニング技能士