様々な特色のある教育を受けることができる私立中学校。通わせたいと思いつつも、気になるのは学費。どれくらいかかるものなのか、みていきましょう。
【中学受験】子どもを「私立中学」に通わせたら、いくらかかるのか?卒業までの学費を徹底解説 (※写真はイメージです/PIXTA)

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私立中学校で授業料の他にかかるお金

私立中学校の学費が高いのは授業料の高さが大きな原因ですが、実は授業料以外にも私立中学校ならではの様々な出費があります。

 

【学校に納入するお金】

1.入学金・施設費

私立中学校では入学時に「入学金(平均約25万円)」や「施設費(平均約4万円)」の納入が必要です。

2.寄付金・学校債

私立中学校では学校運営や設備のさらなる拡充のため、寄付金や学校債を募集している学校があります。

3.海外への修学旅行・研修

私立中学校は海外への旅行が行われる場合が多く、入学年度から多額の旅行積みて金が必要なことがあります。

また、任意参加の海外研修がある学校もあります。

4.PTA会費

私立中学校のPTA会費は公立中学校のPTA会費に比べて、年間数千円程度高い傾向があります。

 

【その他にかかるお金】

1.弁当代

完全給食率が高い公立中学校に比べ、私立中学校で完全給食を実施している学校は約15%に留まっています。

多くの私立中学校では弁当持参となるため、弁当代も別に必要です。

2.通学交通費

自宅から遠い私立中学校を選んだ場合、通学にかかる交通費が必要になります。

3.制服代

公立中学校の場合制服代は夏服・冬服合わせて合計7万円程度ですが、私立中学校で高級ブランド製の制服を採用している場合などは、夏服・冬服合わせて10万円以上かかることもあります。

 

その他にも「子どものお小遣いは私立中学校の生徒のほうが高い」「PTAの集まりで高級ホテルでのランチ会がある」「部活動の部費が公立に比べて高い」など、私立中学校に入ったことによって様々な出費が生じるとの声もあります。

 

年収のラインって本当にあるの?

特色のある教育や充実した学校設備が魅力の私立中学校ですが、公立中学校の約2.8倍という大きな出費から、「私立中学校入学に必要な年収のラインがある」という声もよく耳にします。実際のところ、学費を捻出できるかどうかは各家庭の家計の状況(子どもの数、住宅ローンの有無など)によるところが大きいので、一概に「年収X万円以上」というラインが決まっている訳ではありません。

 

ただし、私立中学校に通うということは、中学三年間の学費だけでなく中学受験のために数年間の塾代がかかること、付属の高校・大学に通う場合は引き続き高い学費が必要なことなどが考えられ、長期間に渡って高い学費を捻出できる家計の余裕があることが必要だと言えます。

 

参考になるデータとして、現在私立中学校に通学している家庭の収入の割合を見てみましょう。

 

出所:文部科学省「平成26年度子供の学習費調査 5.世帯の年間収入段階別、項目別経費の金額段階別構成比」より作成
【図表3】 出所:文部科学省「平成26年度子供の学習費調査 5.世帯の年間収入段階別、項目別経費の金額段階別構成比」より作成

 

【表3】からわかるように、私立中学校に子どもを通わせている家庭の世帯収入は、最も多い年収帯が1,200万円以上で35.1%となっています。全体で見ると年収800万円以上の家庭が7割を超えています。

 

厚生労働省の平成28年「国民生活基礎調査」によると、児童のいる一世帯当たりの平均所得金額は707万8千円となっていることから、私立中学校に通学している家庭の年収は平均を上回っている家庭がほとんどであることがわかります。

 

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