(※画像はイメージです/PIXTA)

飲食店でロボットがスタッフの代わりに調理や配膳したり、観光地に案内役としてAIコンシェルジュが導入されたりと、人件費削減のためのデジタル化やデジタルトランスフォーメーションが進む昨今。しかし、クリニックにおいて患者を受け入れ、医師や看護師をつなぐ役割をする「医療事務スタッフ」は、代替不可能な人財です。高座渋谷つばさクリニック院長の武井智昭氏は、どのような基準でこの医療事務スタッフの採用を行っているのでしょうか。みていきます。

「プライベートの充実度」も重要

面接時、質問内容としては、筆者は以下のようなことを尋ねます。

 

◆志望動機

◆自分のキャリアを振り返って、どういうことに一生懸命取り組んできたか

◆人に負けない自信があることはあるか

◆座右の銘

◆職歴で学んだことやインパクトがあったこと

◆これまでのキャリアプランと就職における意気込み

 

筆者は上記のような質問にしっかりと回答できる人を優先的に採用しています。面接時間も15分程度と短時間にして、先に簡潔に骨子・結論を述べてからその理由を肉付けし、最後に重要なことをまとめられるかどうか、わかりやすく要点を絞った話し方かどうかを見極めています。

 

また、受診患者に対して一様な話し方ではクリニック受付としては不十分です。このため、話し方も重要であり、あえてゆっくりと少し大きな声で、余力があれば緩急や声のトーンの大小を音楽の楽曲のようにつけてみることも、正しい日本語・敬語などの言葉遣いと同様に重視するポイントです。

 

また、筆者は

 

◆学生時代の思い出

◆自分の趣味で語れること

◆自分の家族のこと

◆最近話題になっているニュース

◆前職の1日の過ごし方と休日の過ごし方

◆医療以外の職種経験がある方はその強み

 

についても質問することが多いです。最終的に採用を検討する人にはクリニックを見学してもらい、いい点や改善点、疑問点などを聞きます。また、現在のスタッフとも会話してもらい、多角的に採否を判断します。

 

自分の趣味やこれまでの経験を具体的に語れる人は、組織のリーダーを任せられる傾向があり、人柄も良好であることが多いため、プライベートが充実しているかどうかも採用基準の1つの軸にしています。

 

また、育児や介護の問題を抱えながら勤務するスタッフも多いため、その部分もしっかりと把握していきます。急な欠勤の可能性があるか、その際にカバーができるかどうかなど、家族の状況なども重視し、もしこういった部分に難がある場合には、採用形態を変えることも検討します。

 

こうした事情を聞かずにそのまま採用すると、数ヵ月以内に早期退職となってしまい、再び募集をかける必要が出るなど、採用コストと時間が水の泡となってしまうためです。

 

まとめ

以上、これまでの経験から筆者が医療スタッフの採用時に重視しているポイントを挙げてきました。どのような人材を必要としているかはクリニックによって異なると思いますが、採用時の参考にしていただければ幸いです。

 

 

Medical LIVES/シャープファイナンス

武井 智昭

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

■恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ

 

■入所一時金が1000万円を超える…「介護破産」の闇を知る

 

■47都道府県「NHK受信料不払いランキング」東京・大阪・沖縄がワーストを爆走

 

本記事は、「医療と生きる人々が、生の情報で繋がる」をコンセプトにシャープファイナンス株式会社が運営する医療プラットフォーム『Medical LIVES』のコラムより、一部編集のうえ転載したものです。