表参道駅からわずか5分、20階建てのタワマン都営住宅が話題です。結婚予定のカップルや子育て世代が対象の物件ですが、一等地にもかかわらず築浅2DKで家賃6万2,000円という安さから、応募が殺到しました。しかし、そうはいっても実際に住んでみるとさまざま問題はあるようで……。本記事では、FP1級の川淵ゆかり氏が若年夫婦の住宅購入計画について解説します。
一等地・表参道のタワマン「家賃6万2,000円」に勢い勇んで応募も…住んでわかる若年夫婦の大誤算【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

表参道の住みやすさと住みにくさ、「子育て」には向いている?

(※写真はイメージです/PIXTA)
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さて、そんな表参道駅周辺の「住みやすさ」をみてみましょう。表参道駅は、東京メトロ銀座線、千代田線、半蔵門線が乗り入れている駅で、次のように非常にアクセスもよく、通勤や遊びにもとてもよい場所といえます。

 

・東京駅まで約17分

・新宿駅まで約12分

・渋谷駅まで約3分

・品川駅まで約21分

 

ところで、結婚予定の人や子育て世代で気になるのは、住む地域が子育てに向いているのかどうか、ではないでしょうか。住みやすさも含めて、子育てに向いているかどうかもみてみましょう。

 

お子さんを抱えているご家庭で頭を悩ませるものの1つに「食費」があります。成長するにしたがい、たくさん食べますからね。しかも昨年からの値上げは家計が音を上げるレベルになっています。2022年は約2万5,700品目の値上げだったのが、2023年は年末までにこれを上回る3万品目を突破する勢いとの予測が出ています。

 

高級マンションが建ち並ぶ表参道のスーパーには、成城石井や紀ノ国屋インターナショナルといった高級スーパーがあります。普通のスーパーにはない高級でめずらしい品物もありますが、当然食料品のお値段も全体的に高めです。魅力のあるお店ですが、食べ盛りのお子さんがいるご家庭にとってはなかなか利用しにくい所なのではないでしょうか。

 

ほかにも表参道周辺にはリッチなお店が建ち並び、おしゃれなカフェや有名なパンケーキ店もあって、表参道駅からは代々木公園や表参道ヒルズへもわずかな時間で行くこともできます。こんな場所に住むことができれば、毎日楽しい時間を過ごすことができそうですし、こういった高級店や飲食店に誘惑に負けて、お財布の紐もついつい緩んでしまいそうです。

 

ですが、もともとまわりには高級マンションやタワーマンションが建ち並ぶ場所ですから、お金にかなり余裕のある人たちが多く住む場所です。それ以外の人にはブランド品も高級スイーツも目の毒といったところでしょう。大人が我慢するのも大変そうですから、子供に我慢させるのはもっと大変になりそうです。

 

さて、表参道は国道246号(青山通り)が通っており、交通量も非常に多い地域になります。そのため、お子さん連れで歩く場合は注意が必要です。また、騒音が大きいのもストレスになる人には辛いものです。そして買い物スポットも多いため、観光客や買い物客がいつも溢れていて、外国人も多く、騒がしいのも落ち着きません。

 

また、夜も空いているお店も多いので、遅くまでにぎやかです。さらに原宿までは歩いていけますし、新宿や渋谷へのアクセスがよいところも大人にとっては便利かもしれませんが、中学生や高校生のお子さんを持っているご家庭にとっては心配な面も出てくるのではないでしょうか。