「過剰無き美邸」をキャッチコピーに、経済性・機能性・デザイン性を絶妙なバランスで兼ね備えた住宅「MODEL CODE(モデルコード)」。必要以上にコストをかけない「既製品」を使い、住む人を引き立てる「簡潔・簡素」であることが二大特長だ。モデルコードの企画開発者であり設計から広告制作までを一手に引き受ける株式会社プロムスタイルの河部吉孝氏に、モデルコードを形作る要素とそこに込められたこだわり、想いについて伺っていく。今回焦点をあてるのは「植栽」。

都市住宅のわずかな隙間でも「庭屋一如」は実現可能

河部氏は今から20年以上前、偶然出合った分譲地に感銘を受けた経験がある。日本の著名な建築家であり、東京芸術大学の名誉教授でもあった元倉眞琴氏が手掛けたその分譲地は家と家、家と道路の間に塀を一切設けない代わり多くの植栽を施し、越境させることで全体を美しく融合させていた。植栽の力で調和のもたらされた美しい景色が360度の方位に広がっていたのだ。

 

河部「どんなに美しい家を建てても、それは人工美に過ぎません。ここに住みたいと思わせる家並みには必ず緑があります。自然の美が重なることで初めて人工の美が引き立つのであり、また日本には『庭屋一如』という言葉があります。私は古来の家屋に対する考え方、日本住宅のあるべき姿がこの言葉の中に込められていると考えています」

 

「庭屋一如」とは「人間と自然と家屋は一対である」という意味を持つ熟語である。人の住む家屋には必ず緑豊かな庭があり、すべての調和が取れて然るべきという考え方だ。しかし人口の密集する都市部において「庭屋一如」を実現することはなかなか難しい。

 

河部「いまのところ都市部の物件が中心となっているモデルコードにおいて『庭屋一如』を実現するにあたっては、関西の著名な造園家である荻野寿也氏のお仕事から多大なインスピレーションをいただきました。荻野氏は『充分な広さのある敷地はもちろん、都市部のほんのわずかなスペースに細く美しい木を植えるだけでも、豊かな庭を作り出すことができる』という実例を幾つも見せてくださいます。そのお仕事ぶりには大変感銘を受けました」

 

住宅の密集する都市部において、住宅と道路、隣家の隙間はわずか数十センチ程度である。施主も施工側も「木なんか植えられるわけがない」とあきらめてしまうケースが大半だ。しかし荻野氏の発想を「都市型住宅のお手本」と捉えた河部氏は「規格住宅でも充分に応用可能な手法。ほかの会社がやっていなかったとしても、うちではぜひトライしてみよう」と考えた。簡潔・簡素でありながら住宅が持つ本来の機能を過不足なく備えることを目指すモデルコードにおいて、植栽は必要不可欠な構成要素のひとつなのである。

 

植栽の維持管理を請負条件のひとつに付加

では実際にモデルコードでは、どのような植物がチョイスされ、どのように植え付けられているのだろうか? 河部氏に伺ってみた。

 

河部「スペースの制約がございますので、大きな木を植えることはできませんが、もみじなどの日本らしい繊細な樹木が多くなっています。片流れの苗木を選ぶようにしていますね。シンメトリーですと、洋風の雰囲気が濃厚になってしまいますから……。もみじは落葉樹ですが、秋から冬にかけ枝だけの姿になったとしても風情は変わらずに豊かですよ」 

 

敷地によっては、隣家との間のスペースを縦格子で囲い、中庭や角庭に仕立てることも。もちろんその際にも植物の存在は必要不可欠であり、室内からは詩情豊かな景色を楽しむことができる。

 

なおモデルコードは「美と機能のバランスに秀でた創り手にすべてを任せなければ、数十年先も快適に過ごせるマイホームは実現しない」という強い信念を持っている。建設請負の際には、植栽に関する項目を含む同意書への署名が必要だ。

 

河部「伐採せず年に一度、プロの手で剪定していただく。植栽に関する条件はそれだけです。『庭屋一如』の基本理念がモデルコードに息づいていることをご理解いただき、末永く快適にお過ごしいただくための『仕掛け』としてお願いしております」

 

地域に緑と潤いを差し出す美邸『モデルコード』

ここまでの内容を一読すると、河部氏の植栽、そして「庭屋一如」への並々ならぬこだわりが伝わってくる。実はモデルコードの外壁も「植栽ありき」で選択されているのだ。河部氏は「植物の自然美がなければ、モデルコードもただのバラックに過ぎない」とまで言い切る。

 

河部「モデルコードでは、単色かつ艶消しのシンプルな外壁材を採用。彩りは植栽に一任しています。外壁を『植栽の持つ自然美を最大限に引き出すキャンバス』として機能させることで、住宅の外観に自然美と人工美の素晴らしい相乗効果が生まれるのです」

 

しっかりと剪定された植物の姿は美しい。また陽光の加減で外壁にその影が映し出されると、さらなる趣が生まれ始める。このように熟慮されたモデルコードのコンセプトの背景には「住宅は私物であるだけでなく公共物でもある」という河部氏の信念、というよりもいまの日本人がわすれているだけの「事実」があった。

 

河部「受け売りの言葉ではありますが『地域に緑を差し出す』。モデルコードはそういう住宅であるべきと願っています。地域に建つ一つひとつの家屋が同様の意義を持つことができれば、360度の景色が美しく、豊かになって資産価値が上がるのです」

 

このようにモデルコードは、家と植栽がひとつとなり「過剰なき美邸」のコンセプトを見事に体現している。ライフスタイルをトータルで提案可能な規格住宅と言えるだろう。

 

 

 

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