「過剰無き美邸」として注目を集めるモデルコードは、必要以上にコストをかけない「既製品」であること、そして住む人と家具を引き立てる「簡潔・簡素な住宅」であることを特長としている。今回は、東京都世田谷区の「MODEL CODE 自由が丘B棟」を紹介していく。

作品住宅と商品住宅の間にある選択肢
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世田谷区内でも有数の土地評価額を誇る立地だったが

東京都世田谷区奥沢2丁目。同エリアは人気の高い繁華街・自由が丘まで近く、高台かつ平坦で、区画整理地内の基盤の目にあるという好立地。世田谷区内では、最も土地評価額が高いことでも知られている。

 

物件から自由が丘駅までは徒歩6分。また徒歩5分圏内に東急ストアや奥沢病院、ヤマダ電機が立地し、何かと便利な生活環境が揃っている。しかし本物件にはひとつ気になる点があった。土地の形状がいわゆる「旗竿地」なのである。

 

旗竿地とは、名称通り「竿につけた旗のような形状をした土地」を指す。公道に接する敷地の間口は狭く、竿のように細長い。その延伸先にまとまった土地が控えているという形状なのだ。

 

旗竿地は、周囲の建物に囲まれているケースが多いため、設計の段階で間取りの熟考が必要となる。敬遠されることも多い土地形状を前に、モデルコードのプロデューサー・河部吉孝氏はどのようなプランを掲げたのだろうか。

 

「部屋数をひとつ減らし『敷地の北西に、アルミの縦格子で囲った角庭を設ける』というプランを考えました。北にリビング、南にパウダールームとバスルームを配置するという、常識を覆す間取りを採用したことも大きな特徴のひとつといえます」

 

一般的に、旗竿地に建つ家の窓からは「隣接する建物の外壁」という、味気ない風景しか望めないケースが多い。開放感に乏しい生活となってしまうのはもちろん、日当たりや風通しの面でも不満の残る住まいになりがちだ。河部氏は逆転の発想を用い、旗竿地の弱点を感じさせない家づくりを試みた。

 

「『旗竿地はもともと条件が悪いんです。仕方ありません』と言い含め、価格を下げるだけなのが国内ハウスメーカーの対応であり常套手段です。私は長年、そうしたやり方に対し憤りを感じてきました。もし自分に旗竿地を加工する機会が訪れたら、必ず評価を覆すと考えていました。整形地より価値が劣るとみなされてしまう悪条件を逆手に取り、住む人が購入後に快適な生活を営める空間を創造しましたが、これは創り手なら本来最低限の姿勢です」

旗竿地の「竿」部分に、魅力的な小径が出現

 

それでは「MODEL CODE自由が丘B棟」の特徴を、より詳しく見ていくことにしよう。まず家屋へと続く入口に注目したい。旗竿地の「竿」に該当する部分であり、隣接する建物に囲まれた細長い形状となっている。河部氏はその敷地をアルミの縦格子で囲み、植栽を施すことで魅力的な「小径」を作り上げた。

 

「シルバーのアルミ縦格子を使うことで光と風が通り、圧迫のない佇まいが実現します。モデルコードに欠かせない建材のひとつですが、今回は特に目立った活躍を見せました。入口の小径は景観の狭苦しさ緩和、そして隣家からの視線緩衝に役立っています。また足元に柔らかい光を放つ庭園灯を配置したので、植栽の豊かな自然美が際立ち、弱点の竿の部分がむしろそこを通りたくなる小径に仕上がりました」

 

河部氏は「美邸に緑は不可欠」という信念をもっている。旗竿地の物件であってもその信念は揺るがず、わずかな隙間を活用し効果的な植栽を施した。

 

「どんなに美しい家を建てても、それは人工美に過ぎません。自然の美が重なることで、初めて人工美が引き立ちます。植えているもみじは落葉樹ですが、秋から冬にかけて枝だけの姿になったとしても風情は変わらずに豊かです」

 

なお本物件の敷地面積は全体で約130平方メートル。そのうち建物面積は約121平方メートルで、木造2階建て3LDK。ここからは旗竿地の「旗」部分に建設された、モデルコード内部を見ていくことにする。

1階:アルミ格子で囲まれた角庭が潤いを運ぶ

 

「MODEL CODE 自由が丘B棟」の1階部分は主寝室、そして2つの子供部屋で構成されている。各部屋と玄関には収納スペースがふんだんに設えられているほか、トイレには手洗い用の流し台も設置。引き渡し後の快適な生活にしっかり配慮するモデルコードのスタンダードは、本物件でも健在である。

 

そして冒頭でも紹介した最大の物件特徴は、敷地の北西に設けられた「アルミ格子で囲まれた角庭」。1階部分では2つの子供部屋の間に位置しているため、各部屋の窓からその景観を楽しむことができる。さらに角庭は吹き抜けになっており、2階リビングからも同様の景観を望む。その視覚効果は旗竿地の家であることを忘れさせてしまうほど絶大である。

 

「角庭に植えられているのは人工竹で、天然木ではありません。その理由は庭自体が決して広い空間でなく、しかも敷地の最奥にあったからです。高さのある天然木だと、植樹どころか搬入さえできないという環境だったのです。今回採用した人工竹は、高知県の会社で作られています。非常に高品質でよほど近寄らない限り、人工と気づかれることはありません。もちろん日々の管理や剪定も不要。1階の2つの居室、そして2階リビングでの生活に潤いをもたらす、本物件に欠かせない存在です」

 

またこちらの角庭は、旗竿地が抱える不安点の解消にも大いに役立っている。それは高い「防犯効果」だ。

 

「旗竿地は奥まった敷地ゆえ、空き巣が好む『死角』が多くなります。本物件では1階にあるふたつの子供部屋をアルミ格子で囲んだ角庭が守り、それ以外の1階にはたとえガラスを割ったところで侵入できない細いサイズの窓を採用し、主寝室はその窓を横に用いて2方向に 2枚ずつ設置。防犯と採光をバランス良く保っています」

2階:旗竿地のデメリットを感じさせない広々とした空間

 

続いて本物件の2階部分を紹介していこう。階段を上ると、約25帖の広いLDKが広がる。1階部分から上方に伸びた角庭の先端はガラス張りとなっているため、差し込む陽光と人工竹の情緒豊かな景観をソファに腰かけゆったりと楽しむことができる。もしこの角庭の代わりに創意工夫のない窓を設けたとしたら、そこから見える景色は隣家の壁でしかなかっただろう。

 

「私はこれまで、数多くの住宅建設現場に立ち会うなかで、たくさんのことを学んできました。その集大成ともいうべきモデルコードの間取りを考える際は、敷地の広さや形状を十分考慮に入れたうえで、部屋数より心地良さを最優先しています」

 

ダイニングテーブルから地続きのキッチン裏には、バスルームとパウダールームも設けられている。キッチンは対面式で、調理しながら会話やコミュニケーションを楽しむことができる。背面には収納棚が設置されているほか、ダイニングテーブルの脇にチェストも用意されているので、食器や食材、そして細々とした調理器具をすっきり収納できそうだ。また洗濯機置き場のあるパウダールームの真横には南向きのバルコニーが設けられているので、洗濯物の物干しも非常に楽だ。家事動線は非常にスムーズである。

 

白い内壁は施主の入居後、室内に搬入された家財道具の色彩を受容可能なキャンバスとして機能するだろう。また1階の居室も含め、床面はすべて自然で明るいフローリングとなっている。

 

「混じり気のないピュアな無垢材を厚さ2mmの『挽き板』として加工し、表面化粧材に使用しています。このため住人の肌に直接触れる部分には、天然木の命が息づいています。設計にあたっては、見切り材を一切挿入しなくて済むよう計算を重ねるだけでなく、目地方向も統一し、空間をのびやかに表現することに心を配りました。本物の木材が見せるナチュラルな表情は木製家具と相性がよく、室内全体を明るい雰囲気で包んでくれます」

 

河部氏の言葉通り本物件には、フローリングと相性の良い木製家具が配置されている。ダイニングテーブル一式やリビングのソファにテーブル、そして寝室のベッドに至るまでがセットになった「家具付きの規格住宅」なので、居住者は引き渡しを受けてからすぐに完成された空間を享受できる。

 

「建物にコンセプトがあるなら家具も同様。そもそもモデルコードは土地と建物だけを用意し、販売した後は知らぬ存ぜぬという商品ではありません。引き渡し後に真価を発揮する、ライフスタイル提案型の商品なのです。このためモデルコードにマッチする簡潔簡素で味わい深い家具を用意しています。そのラインナップは経年により色合いや表情が変わり、数十年の評価にも耐えうる木製家具が中心です」

充実した保証制度や豊かな設備にも要注目

 

住む人のこだわりを詰め込み「世界にひとつしかない住宅」を作ることが正しいという価値観は、過去数十年の時間をかけ一般化してきた。「注文住宅こそ最高」という公式が刷り込まれ、「例え旗竿地であっても部屋数を多くしたい」など、施主の要望がエスカレートしてしまうことも十分に考えられる。河部氏はそうした近年の傾向に異を唱えてきた。

 

「近年、上物をすべて取り壊し、更地にしてからでないと再販できない『負の遺産』が多いのは、家づくりの基本に敬意が払われてこなかったからではないでしょうか? 今回の設計については『部屋数をひとつ減らし角庭を設ける』というプランさえ実現できれば、時代が移り変わっても価値を失わない物件を創造する自信がありました。狭い土地でも部屋数が必要、だから無理矢理でも押し込んで収納も無い物置のような居室が生まれる。このような需要側の都合と供給側の迎合ばかりが優先されるのは、先進国の中では日本だけなのです。だから好き勝手な家が乱立し、家並みという社会資産が生まれない。動産品なら構いませんが、その地域の景観=社会を決定付ける不動産に限っては、優先されるべきは『個人』より『地域』なのであり、故に見苦しい4LDKではなく、まともな3LDKを求める需要に応える供給者が必要なのです」

 

しかしいくら住み心地が良さそうに見える家でも、機能に不安が残るようでは購買までに至らない。そのあたりについても話を伺った。

 

「モデルコードの住宅は全室エアコン、床暖房付き。断熱については、発泡スチロール系のウレタンフォームの採用で配慮。さらにガラスが割られても侵入できないサッシュや、ボックスが天井に埋め込まれた電動シャッターを採用することで、ストーカー対策までを意識した防犯性と意匠を両立させています」

 

また充実した保証制度にも注目したい。「不具合に対するサポートは惜しまない」という姿勢が明確に表れている。

 

「建物において重要な構造・防水に関する不具合の責任期間は法律で10年と定められています。ゆえに一般的な住宅会社の保証は10年間ですが、弊社は20年間として長期の安心を提供しています。たとえば引き渡しから11年目以降に重大な不具合が発生した場合でも、最大500万円を限度に補修します。さらに給湯器やシステムキッチン、そしてシステムバスや温水洗浄トイレなど、住宅設備に対する保証も充実しています。10年間の独自の保証となっているので、不具合が生じた場合は弊社に直接ご連絡をいただければ解決できます」

 

規格住宅として至れり尽くせりの機能・保証制度を備えたうえで、注文住宅に引けを取らない洗練さを実現するモデルコード。今回の「自由が丘B棟」は、旗竿地という悪条件にも関わらず、今から3年前で1億円台半ばという当時の相場を超えた成約価格を実現したことからも、その実力を伺い知ることができる。

 

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