「モデルコード」は家具付きでライフスタイルそのものを提案
デザイン性と経済性のバランスに注意深く焦点を当てた規格住宅である「モデルコード」。維持管理が容易な仕様でありながら、洗練されたデザインの既製量産品をセレクトすること、そして全体の調和を崩さないことで、建築家の手による注文住宅に引けを取らない仕上がりを実現している。そのコンセプトは外壁や床材、そして外塀などの建材にしっかりと反映されているが、室内はどうなのだろうか。
河部「モデルコードの室内は床のフローリング以外、すべて白で統一しています。家具や観葉植物、そして住む人自身が引き立つ空間を実現しています」
さらにモデルコードの室内には、主要な家具がすべて用意されている。ダイニングテーブル一式、リビングのソファにテーブル、そしてAVボードや寝室のベッドに至るまでが揃えられているというのだから驚きだ。施主は引き渡し時から、完成された空間を享受可能なのである。
河部「建物にコンセプトがあるなら家具も同様です。そもそもモデルコードは、土地と建物だけを用意し、販売した後は知らぬ存ぜぬという商品ではありません。引き渡した後にこそ真価を発揮する、ライフスタイル提案型の商品なのですが、これが弊社と他社との決定的な違いです。このためモデルコードにマッチした、簡潔・簡素でやはり数十年の評価に耐え得る家具を用意させて頂いており、そのラインナップは経年により色合いや表情が変わる木製の家具が中心となっていますね」
高品質家具ブランドとの邂逅で「モデルコード」のコンセプトがより強固に
モデルコードのコンセプトに沿う既製品を鋭い審美眼でセレクトしている河部氏。これまでに販売されてきた住宅の内部には、どのような家具が用意されてきたのか伺ってみた。
河部「モデルコードの家具は、MUJIさんの『REAL FURNITURE』でスタートさせていただきました。REAL FURNITUREは『50年、100年と使い続けられる家具』を目指して作られており、同ブランドの中で最もクオリティの高いシリーズ。厚みのある無垢素材が精緻な木工技術で組み立てられているほか、ダイニングテーブルからベッドまでの家具がすべて同素材で揃う唯一のシリーズでした」
国内のみならず、世界的な評価を得ているMUJI。そのシンプルでありながら高品質な家具は、モデルコードのコンセプトにぴったりと合致するものだった。しかし最近、新たなる展開が生まれ始めているという。
河部「素材・構造・デザインにこだわったロングユースの木製家具を製造販売するブランド『カンディハウス』様との公式コラボレーションが決定いたしました。決め手は、カンディハウスの豊富なラインナップ。モデルコードのコンセプトを遵守しつつ、物件ごとに違うテイストを生み出すことが可能となったのです」
カンディハウスは、北海道旭川市に本社を構えるワールドクラスの家具ブランドだ。1968年から続く長い歴史を持っており、欧米やアジアにも関連会社を展開。ものづくりに対する姿勢が世界各国で評価され多数の賞を受賞するなど、実績も豊富である。北海道の自然、そして日本の美意識を活かしたものづくりの姿勢に河部氏も大いに共感している。
河部「とにかく家具一つひとつの作りが素晴らしいですね。身体がほど良くホールドされる座り心地と引き出しひとつをとっても開け閉めの際の重厚な触感を感じられます。また表から見ても裏から見ても、美しい同じ仕上がりになっているんです。カンディハウスは北海道に自社工場を展開されており、職人の方々を常時養成されています。このためメンテナンスにもしっかりご対応いただけ、モデルコードに住む人と共に月日を重ねる、ロングユース家具となってくれることが期待されます」
先述の通り、カンディハウスにはダイニングテーブルひとつをとっても多彩なラインナップが取り揃えられている。同社内には、モデルコード室内の雰囲気に合わせたアイテムを選出可能なコーディネイターも在籍しているため、セレクトについてはある程度任せられる環境が整いつつあるようだ。
河部「モデルコードのコンセプトを理解してくださるブランド企業様に全面的にお任せできますので、私どもは家づくりに専念できます。豊富な商品ラインナップの中から、さまざまな種類をバランスよくセレクトしていただくのが楽しみですね。カンディハウス様との上質なコラボレーションを通じ、より快適な居住空間を実現させていくことができそうです」
このようにモデルコードは、家と家具がひとつとなり「過剰なき美邸」のコンセプトを見事に体現、ライフスタイルをトータルで提案している。