「過剰無き美邸」をキャッチコピーに、経済性・機能性・デザイン性を絶妙なバランスで兼ね備えた住宅「MODEL CODE(モデルコード)」。必要以上にコストをかけない「既製品」を使い、住む人を引き立てる「簡潔・簡素」であることが二大特長だ。モデルコードの企画開発者であり設計から広告制作までを一手に引き受ける株式会社プロムスタイルの河部吉孝氏に、モデルコードを形作る要素とそこに込められたこだわり、想いについて伺っていく。今回焦点をあてるのは「建材」。

本当に必要な要素を簡潔・簡素に備える住宅

費用の安さでなく全体の調和を念頭に置いたうえで、最適・最良の既製品を厳選した住宅が「モデルコード」である。建築家が特注品で作り上げる注文住宅ほど費用がかさむことはなく、将来の修理交換も容易というメリットは大きい。そのコンセプト確立の背景には、国内の不動産業界でまかり通る常識に対し、河部氏が抱き続けてきた疑念があった。

 

河部「住宅や建築業界に35年以上身を置きながら、一方では過剰な作家性、もう一方では住宅会社の利益追求が優先されている日本の住宅事情に疑問を感じていました。住み手にとっての『息の永い価値』を模索していくうち、モデルコードの理念が確立していったのです」

 

では具体的に、モデルコードの内外はどのような既製品で構成されているのだろうか? 今回は住宅の建築工事において重大な役割を果たす、建築材料について伺ってみることにしよう。

 

建築材料は基礎工事に使用される「下地材」と、内外装で直接人目に触れる「仕上げ材」に大別されるが、モデルコードの真骨頂は、特に選りすぐりの仕上げ材の中に見出すことができる。

 

美しいだけでなく最低限のメンテナンスで済むサイディング

河部「まず外観という、住宅の非常に重要な要素を構成する外壁には、ケイミュー株式会社(※編注:旧松下電工外装株式会社)の『セラディール親水パワーコート モダンストライプ16』を採用しています。

 

外壁材の一種であるサイディングは、九分九厘の意匠が『木目調』、『タイル調』、『レンガ調』などのいわゆる『もどきデザイン』で、チープです。しかしケイミュー社のモダンストライプだけは簡素で洗練されたストライプ模様、艶消しの落ち着いた仕上がりで、モデルコードのデザインコンセプトに唯一、合致していました。商品のカラーバリエーションは4種類ですが、モデルコードの外壁材には、アイボリーブラックかミルキーホワイトのモダンストライプを用いています」

 

ケイミューのモダンストライプは、雨水の力で汚れを洗い流せる「超親水性」という特徴を兼ね備えており、シンプルな美しさだけでなく、経済性も兼ね備えている。

 

家具付き、床暖房付きの標準仕様を最大限に生かす床材

次に床材。モデルコードは朝日ウッドテック株式会社の「ライブナチュラルプレミアム アッシュ」を採用している。高機能な複合フローリングをチョイスする、河部氏の審美眼は確かなものだ。

 

河部「こちらの床材は、混じり気のないピュアな無垢材を厚さ2㎜の『挽き板』として加工し、表面化粧材に使用しています。住人の肌に直接触れる部分には天然木の命が息づいていますが、表面以外の部分は床暖房にも耐えうる強度を持つ複合フローリングです。

 

本物の木材が見せるナチュラルな表情は木製家具と相性がよく、室内全体を明るい雰囲気で満たしてくれます。設計にあたって、見切り材を一切挿入しなくて済むよう計算を重ねるだけでなく、目地方向も統一し、空間をのびやかに表現することに心を配っています」

 

モデルコードは全室エアコン、床暖房付きが標準仕様。さらに家具付きの規格住宅として話題を呼んでいる。住機能を最大限に発揮するだけでなく、全体を美しく統一するために選りすぐられた床材が、必然の佇まいで室内に広がっているのだ。

 

防犯防止を粋に実現する高さ2メートルのアルミ格子

モデルコードが採用する特徴的な建材のひとつに「アルミ格子」が挙げられる。隣家や外部からの視線を和らげる、塀としての役割を果たすのだ。こちらの建材にはいくつかの選択肢があり、YKK AP株式会社の「ルシアス」や、株式会社LIXILの「コートライン」が採用されている。

 

河部「シルバーのアルミ格子を縦に使うことで、光と風を通しながら外部の視線をほどよく緩衝し、しかも圧迫感のない佇まいが実現します。土地の形状や設計によりさまざまではありますが、1階部分の大きな開口と道路、または隣家との間に設けた庭を囲うようなかたちで、高さ2メートル超のアルミ格子を設置するのです。シルバーの人工美が植栽の自然美を引き立てるのはもちろん、防犯にも高い効果を発揮する秀逸な建材として、モデルコートには欠かせません」

 

このようにモデルコードは、河部氏によって選りすぐられた建材によって「過剰なき美邸」のコンセプトを見事に体現し、「なぜこんな場所に窓が?」という建売住宅が罷り通っている中で、モデルコードは「家族だけの外部空間」というものをアルミ格子によって実現している。

 

 

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