将来受け取る年金についての重要な情報が記載されている「ねんきん定期便」。手取り30万円の43歳会社員・Aさんがねんきん定期便を確認したところ、ある衝撃の事実が判明します。一体なにがわかったのでしょうか? 本記事では、Aさんの事例とともに国民年金の注意点や年金受給額の確認方法について、CFPの伊藤貴徳氏が解説します。
手取り30万円の43歳会社員「ねんきん定期便」で知った年金額に驚愕…「1,000万円が水の泡」の悲劇【CFPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

面倒でも確認!未納分がある場合は早めに追納を

ねんきん定期便には、これまでの年金支払い記録が記載されています。毎年のハガキに加え、特に35歳、45歳、59歳の年齢になると封書でこれまでの保険料支払い記録が詳細に記載された書類が届きますから、Aさんのように未納となっている時期がないかなど、なるべく届いたら都度、これまでの支払い記録を確認するようにしましょう。 

 

また、日本年金機構のHP内にある「ねんきんネットでも、将来の年金受給額の試算のほか、これまでの年金保険料の支払い記録も確認することができます。

※ 初めてログインする際には、ユーザIDとパスワードの設定が必要です。

 

日本年金機構HP(https://www.nenkin.go.jp/)より。中段右側の「ねんきんネットログイン」から確認できる
[図表3]日本年金機構HPにアクセスしたときの画面 日本年金機構HP(https://www.nenkin.go.jp/)より。中段右側の「ねんきんネットログイン」から確認できる

 

国民年金、厚生年金は自分が亡くなるまで受け取ることのできる「終身年金」です。寿命は誰にもわかりませんが、長生きすればするほど、未納分の減額された年金額が与える影響は大きくなります。

 

ねんきん定期便やねんきんネットを確認して、もし追納期限を経過していない未納分があるようなら、早めに追納することをおすすめします。

「老後必要な資金額」を算出する方法

セカンドライフをより安心で豊かなものにするためには、年金額を見込んだ老後に必要な金額について把握し、プランニングしておくことが大切です。

 

老後必要な金額は、下記の式から算出できます。

 

(老後必要な生活費-公的年金)×想定される老後の年数=準備しておくべき金額

 

これをもとに、Aさんが65歳以降必要な資金額を試算してみましょう。生活費は月25万円、年金は月額13万円、退職年齢は65歳、想定される老後の年数(余命)は平均余命***をもとに約20年(240ヵ月)とします。

 

すると、

 

(25万円-13万円)×240=2,880万円

 

と、約3,000万円ほどの資金準備が必要ということになります。

 

ただし、上記は概算であり、実際には家族構成や住宅ローン残債の有無などによって変わってきます。詳しく知りたい場合は、FPをはじめとした専門家に相談することをおすすめします。

 

<参考>

* 厚生労働省「いっしょに検証!公的年金第4話『日本の公的年金は「2階建て」』より

** 国税庁HP「1 平均給与」より

*** 厚生労働省令和3年簡易生命表の概況「1 主な年齢の平均余命」より

 

 

伊藤 貴徳

伊藤FPオフィス

代表