「墓じまい」を検討する人が増加…深刻化する「お墓の悩み」への時代に合った解消法

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株式会社ハウスボートクラブ
「墓じまい」を検討する人が増加…深刻化する「お墓の悩み」への時代に合った解消法
(※写真はイメージです/PIXTA)

「後継者がいない」「お墓が遠すぎる」など、お墓に関する悩みが増えています。少子高齢化や核家族化、都市部への人口の集中化が進み、お墓の跡継ぎ問題はますます深刻化するばかりです。本記事では、海洋散骨事業を営む株式会社ハウスボートクラブの代表取締役社長・赤羽真聡氏が、多様化する墓じまいの方法やお墓の悩みへの解消法について解説します。

「墓じまい・改葬」を検討する人が増加

最近よく墓じまいや改葬に関するお悩みを見聞きします。こうした悩みが増えた背景には、生活環境の変化だけでなく少子高齢化や晩婚化が関係しているといいます。先祖代々のお墓を管理できる人がいないという後継者問題は、いまやどの家庭でも起こりうることです。

 

お墓の管理ができない理由の多くは自宅とお墓までの距離が遠いことでしたが、最近では家族の価値観の違いなども墓じまいの理由としてあげられます。たとえば、家族のなかで宗教が異なれば葬儀やお墓の在り方も異なる場合があります。なかには、両親との関係性がお墓に影響することも……。

 

さまざまな理由から継承不要のお墓に改葬する方が増えています。新しくお墓を購入される方は樹木葬を選ぶ人が多い傾向にあることもわかりました。

 

<墓じまい・改葬を希望する理由>

・将来子供に負担をかけたくない

・継承する子供がいない

・義実家のお墓に入りたくない

・自然葬にしたい

・配偶者が長男ではないから夫婦で永代供養に入りたい

・田舎のお墓が遠すぎてお墓参りに行けない

・アクセスのいい場所に改葬したい

・高齢のためお墓参りが難しくなった

・ペットと一緒に入れるお墓がいい

・金銭的負担が大きい

・複数あるお墓をまとめたい

・なにも残したくない

 

コロナや少子高齢化で深刻化する「お墓の跡継ぎ問題」

新型コロナウイルスの感染拡大により葬儀の規模は縮小され、一般葬から家族葬への移行が加速しました。法要でも会食をしないなど家族が集う機会が減少し、お墓参りを自粛するといった動きもみられました。自主的な行動制限などにより、葬送の在り方にも変化が生じたのです。

 

また、新型コロナウイルスの影響だけでなく、近年の日本では少子化や核家族化、都市部への人口の集中化が進み、お墓の跡継ぎ問題が深刻化しています。「遠方にお墓がある」「墓守ができる人がいない」などの理由から、お墓を移動させる「改葬」を選択する人も多く、政府が発表した令和2年度衛生行政報告例によると、「改葬」を行った件数は、全国で117,772件となっています。

 

出典:政府統計の総合窓口(e-Stat) 令和2年度衛生行政報告例

 

注目される「継承不要のお墓」

お墓の相続は「長男」や「長子」といった血縁者を想定しがちですが、これは法律上定められたものではありません。しかし、たいていは長男が継承していく家庭が多いようです。

 

お墓のお世話をする人がいなくなると、お墓は「無縁墓」または「荒れ墓」といわれる状態になります。このような状態を避けるために、事前に墓じまいや改葬を検討される方が多いです。近年では、お墓の継承者がいない、子供に負担をかけたくないなどの理由から、継承不要のお墓が注目されています。

 

<継承者不要のお墓>

・樹木葬…樹木をシンボルツリーとするお墓

・合祀墓(ごうしぼ)…複数の方の遺骨を一緒に埋葬する永代供養墓

・納骨堂…室内などに多くの遺骨を収容する施設

・個人墓つき永代供養墓…契約期間はお参り可能、その後は供養塔などに合祀されるお墓

・海洋散骨…パウダー状にした遺骨を海に撒く

 

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