物価高にも負けない…「フラット35」の隠れたメリット
「フラット35」は、借り入れ当初から全期間にわたって固定金利の住宅ローンです。金利が固定されているということは、毎月の返済額が完済時まで変わりません。これは、家計を管理するうえで大きなメリットです。
昨今は著しい物価高に見舞われ、電気料金が月10万円を超えた家庭もあります。このように、社会情勢に変化があっても住宅ローンの返済額に変化がないというのは、強い安心感があります。
フラット35と聞くと、「金利が高い」とイメージする方も多いでしょう。たしかに、変動金利と比べるとフラット35の金利は高めに設定されています。そのため、「金利が低いから変動金利がいい!」と安易に考えてしまいがちですが、実は目先の比較では気づかないフラット35のメリットがあるのです。
それは、建物の「要件」の部分です。2023年4月から制度が改定され、フラット35を利用できる建物の要件が厳しくなります。これまで「断熱等性能等級2相当以上」とされていたものが、「断熱等性能等級4以上」になるのです。したがって、性能が低い建物では、フラット35を利用することができません。
これはつまり、「フラット35を利用できる家=断熱性能が高く光熱費が低く抑えられ、長寿命で建て替えの不安がない」という意味になります。フラット35を利用して住宅ローンを組めば、単純な金利の比較だけでは見えてこない「ランニングコスト」が低く抑えられるでしょう。さらに、「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の場合は金利の引き下げもあります。
フラット35のデメリットとしてよく語られる「金利の高さ」ですが、このように金利変動のリスクやランニングコストを含めて「変動金利」と「固定金利」を比較してみると、固定金利型のフラット35が不利とは決して言い切れません。
住宅購入時、複数の住宅メーカーを比較する際には、その家の性能だけでなく「ランニングコスト」を重視してみてはいかがでしょうか。
長岡 理知
長岡FP事務所
ファイナンシャルプランナー