ガタガタした歯並びや八重歯、出っ歯、すきっ歯などの気になる歯並びを、きれいに整えることができるのが歯列矯正。自分の歯並びが良くないことを気にしているものの、「費用が高いし、通院する時間が取れない」などの理由から、ハードルの高さを感じている人もいるでしょう。そこでいま、注目されているのがデジタル技術を活用した「オンライン矯正」。歯列矯正の問題や不安を取り除き、より身近なものにしてくれると期待されています。※本稿は、テック系メディアサイト『iX+(イクタス)』からの転載記事です。
身近なデジタル技術で実現!最短1回の通院で歯並びを整える「オンライン矯正」 (※写真はイメージです/PIXTA)

矯正に対するハードルを下げる「オンライン矯正」

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

これまで述べてきたように歯列矯正にはさまざまなハードルがありますが、これに対しより気軽に歯列矯正が受けられるようにと考えられたものが「オンライン矯正」です。オンライン矯正は、基本的にマウスピース矯正ですが、自宅に送られてきたマウスピース型装置を決められた順番どおりに自分で交換しながら歯列矯正を進めていくことで、これまでにはなかったメリットが得られるようになりました。

 

通院が最低1回ですむ

一般的な歯列矯正では、治療期間中、1ヵ月~数ヵ月に1回程度の定期通院で、治療の進み具合のチェックや装置の調整などをしてもらう必要があります。しかしオンライン矯正では、初診時に口の中の状況や適応可能な歯並びであるかのチェックを受けたのち、デジタル口腔内スキャナーで歯型を採るので、その後は基本的に通院の必要はありません。

 

マウスピース型の装置は、定期的に宅配便などで自宅に送られてくるので、決められたタイミングで新しいものに交換していきます。さらに、矯正中は2週間ごとに自分の口の中の写真をスマートフォンなどで撮影しオンラインで送付。専門の歯科医師が矯正の進み具合などをチェックしています。

 

費用が比較的リーズナブルである

オンライン矯正では、全体的に歯を動かすような場合で65万円程度、部分的に動かす場合には30万円前後と、従来の歯列矯正やマウスピース矯正に比べてかなりリーズナブルな設定になっています。

 

低コストの実現にはいくつかの理由がありますが、一番大きいのはマウスピース型装置のコストダウンがあげられます。

 

オンライン矯正の一つである「hanaravi」の場合、治療計画と歯のスキャンデータに基づいてマウスピースのパターンを生成する3DCAD、データの自動補正ツール、歯型を製作する3Dプリンター、マウスピースを製作する真空整形機、マウスピースを切り出すミリングマシンと、全工程の機械化と自動製造技術によって原価の低減を図っています。また、通院するたびに装置を調整する処置費がいらないことなども費用を低く抑えられている理由です。

 

オンラインでいつでも相談が可能

通常の歯列矯正で歯科医師に相談ができるのは基本的に通院した時だけです。しかしオンライン矯正であれば、何か困ったことがあった場合には24時間、SNSを通じて相談が可能。必要な時にはビデオ通話や通院での受診も可能です。