ガタガタした歯並びや八重歯、出っ歯、すきっ歯などの気になる歯並びを、きれいに整えることができるのが歯列矯正。自分の歯並びが良くないことを気にしているものの、「費用が高いし、通院する時間が取れない」などの理由から、ハードルの高さを感じている人もいるでしょう。そこでいま、注目されているのがデジタル技術を活用した「オンライン矯正」。歯列矯正の問題や不安を取り除き、より身近なものにしてくれると期待されています。※本稿は、テック系メディアサイト『iX+(イクタス)』からの転載記事です。
身近なデジタル技術で実現!最短1回の通院で歯並びを整える「オンライン矯正」 (※写真はイメージです/PIXTA)

見た目の改善以外にもメリットがある歯列矯正

(※写真はイメージです/PIXTA)
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歯列矯正を考える一番の理由は、歯並びを整えて口元の見た目を良くすることでしょう。確かに、口元の見た目は顔全体の印象に大きな影響を与えるほか、歯並びの悪さを気にして人前で口を開けて笑うことができなかったり、笑う時には必ず手で口元を隠してしまったり。歯並びを整えたことでそのコンプレックスから解放され、性格まで明るくなる人もいるといいます。

 

また、欧米では歯並びが悪いままだと、恋愛やビジネスなどで不利になることがあるともいわれています。さらに、歯列矯正には、口の中や全身の病気の予防にもつながるというメリットもあります。歯並びが悪いと、歯と歯や、歯と歯茎の間に食べ物が詰まりやすかったり、残りやすかったりすることに加えて、歯磨きをしても汚れが取れづらいことから虫歯や歯周病になりやすくなります。結果として歯を失ってしまったり、歯周病が糖尿病を悪化させたりするなど全身の健康にも悪影響を与えることもわかっています。

 

近年、急速に普及しているマウスピース矯正

(※写真はイメージです/PIXTA)
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従来の歯列矯正では、歯の表側に装着した金属製のブラケットとワイヤーで力をかけて歯を動かし、歯並びを整える方法が主流でした。歯に銀色のブラケットやワイヤーをつけている人を見かけるのは珍しいことではありませんが、その見た目が理由で歯列矯正を諦めていた人もいるでしょう。

 

その問題を解決できるとして、近年急速に普及しているのがマウスピース矯正です。マウスピース矯正では、歯に金属のブラケットやワイヤーを装着する代わりに、歯が少しずつ動くように設計された、3Dプリンターで作られたマウスピースを装着します。これを1〜2週間ごとに交換していくことで、歯並びを整えていきます。

 

このマウスピース型装置は、透明の樹脂で作られていることから周りの人に気づかれにくく、食事の時などには取り外しができます。そのため食べ物が挟まったり、詰まったりすることもなく、さらに普段どおりに歯磨きもでき、虫歯や歯周病になりにくいなどのメリットがあります。

 

しかし、マウスピース矯正も一般的に100万円前後の費用がかかるほか、治療が終わるまでに半年から数年の期間が必要。さらに1〜2ヵ月に1回程度の定期通院も必要で、ワイヤーブラケットによる歯列矯正と同じく、少なからず煩わしさがあるのも事実です。