多くの消費者は、スーパーで同じ商品があれば数十円単位でも価格が安いものを選びます。一方、FXトレードでは元手の3%ほどの損失であれば、気にせずに受け入れてしまう場合があります。この背景には、取り扱う金額が大きければ大きいほど損得感情が鈍くなるという、深層心理の特徴があるのです。FXで継続して利益を出すには、この特徴をしっかり意識できていることがカギになると、株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏はいいます。みていきましょう。
原因は人間の“深層心理”!? FXで継続して利益を「出せる人」と「出せない人」の決定的な差【プロトレーダーが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

元手の額に関わらず損失にシビアなプロトレーダー

元手の額が大きければ大きいほど、1回の損失に対する感情が鈍くなってしまう初心者トレーダーに対し、プロトレーダーは、元手の大きさに感情を左右されない意思を持っています。

 

※画像はイメージです/PIXTA
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たとえば、プロトレーダーは起こり得るリスクを把握して、トレードごとに扱うロット数を調整しています。ボラティリティの高い相場では、損切りの幅が広くなる可能性があるため、扱うロット数を低くします。ロット数を調整することで、普段の利益額以上の大きな損失を出す可能性をとことん潰しています。

 

プロトレーダーの損失に対する探究心は計り知れません。トレード毎のロット数の振り返りや、損切幅が正しかったかどうかを常に試行錯誤しています。損に対してシビアな姿勢を貫くプロトレーダーは、元手の金額に関わらず、よい結果を出すことができています。 

「感応度逓減性」を意識して、安定したプラス収益を出す

※画像はイメージです/PIXTA
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今回は、人間の深層心理である感応度逓減性の法則を解説しました。扱う金額が大きくなればなるほど、人間は損得感情が鈍くなります。

 

しかし、トレード世界において、損得感情が鈍くなるということは、継続的に利益をあげていくことに大きな支障をもたらすことを意味します。日常のトレードで、なんとなく元手の10%の損失を出してしまった、ということがあってはプロトレーダーにはなれないでしょう。

 

FXで勝つためには、人間の深層心理に打ち勝つ必要があります。感応度逓減性の法則を意識して、元手の多い少ないに関わらず、1度の損切で元手の何%を失ってしまったのかを考えるようにしましょう。

 

FX初心者であれば、1度の損失は元手の1%以内に収めると心理的負荷も小さくなり、トレードの内容を落ち着いた精神状態で振り返ることができます。

 

FXでなかなか稼げていない人が稼げるようになるためには、まず1度のトレードにおける許容損失の範囲を決めましょう。「損失は元手のOO%まで」という決まりを作っておけば、たとえ扱うロット数や金額が増えても、損失率の範囲は一定になります。

 

稼げない人の共通点は、扱う金額が大きくなればなるほど、損失に対してルーズな姿勢になってしまうことです。あなたも損失に対する意識を高めていけば、いずれプロトレーダーのような、感情や深層心理に惑わされない強い精神を持ったトレーダーになれるでしょう。

 

 

清水 一喜

株式会社ソーシャルインベストメント 執行役員