3―対児感情尺度「育児への束縛による負担感」についての要因分析
まず、対児感情尺度の5つの項目のうち、「育児への束縛による負担感」への影響について、重回帰分析した結果を、【図表1】へ示す。
分析の結果、「育児への束縛による負担感」について、育児協力者の有無(P=0.014)、睡眠時間(P=0.007)、夜間起床回数(P=0.001)、主観的健康度(P=0.001)が、有意な影響を与えていることが明らかとなった。
この結果を詳細に解釈していくと、育児協力者がいない者は(育児協力者がいるものと比べて)、睡眠時間が短いほど、夜間起床回数が多いほど、主観的健康度が悪いほど、育児への束縛による負担感が高くなる結果が示された。
4―対児感情尺度「子どもの態度や行為への負担感」についての要因分析
次に、対児感情尺度の5つの項目のうち、「子どもの態度や行為への負担感」への影響について、重回帰分析した結果を、【図表2】へ示す。
分析の結果、「子どもの態度や行為への負担感」について、年齢(P=0.001)、睡眠時間(P=0.003)、夜間起床回数(P=0.001)が、有意な影響を与えていることが明らかとなった。
また、この結果を詳細に解釈していくと、年齢が高くなるほど(年齢が低い者と比べて)、睡眠時間が短いほど、夜間起床回数が多いほど、子どもの態度や行為への負担感が高くなる結果が示された。
5―対児感情尺度「育て方への不安感」についての要因分析
続いて、対児感情尺度の5つの項目のうち、「育て方への不安感」への影響について、重回帰分析した結果を、【図表3】へ示す。
分析の結果、「育て方への不安感」について、寝具の状況(P=0.011)、夜間起床回数(P=0.012)、主観的健健康度(P=0.004)が、有意な影響を与えていることが明らかとなった。
また、この結果を詳細に解釈していくと、親と子どもの寝具が別寝具であるほど(同寝具と比べて)、夜間起床回数が多いほど、主観的健康度が悪いほど、育て方への不安感が高くなる結果が示された。
6―対児感情尺度「育ちへの不安感」についての要因分析
続いて、対児感情尺度の5つの項目のうち、「育ちへの不安感」への影響について、重回帰分析した結果を、【図表4】へ示す。
分析の結果、「育ちへの不安感」について、年齢(P=0.013)、育児協力者の有無(P=0.039)、 夜間起床回数(P=0.028)が、有意な影響を与えていることが明らかとなった。
また、この結果を詳細に解釈していくと、年齢が高いほど(年齢が低いものと比べて)、育児協力者がいない者は(育児協力者がいる者と比べて)、夜間起床回数が多いほど、育ちへの不安感が高くなる結果が示された。
7―対児感情尺度「育児への肯定感」についての要因分析
最後に、対児感情尺度の5つの項目のうち、「育児への肯定感」への影響について、重回帰分析した結果を、【図表5】へ示す。
分析の結果、「育児への肯定感」について、育児協力者の有無(P=0.008)、 夜間起床回数(P=0.033)が、有意な影響を与えていることが明らかとなった。
また、この結果を詳細に解釈していくと、育児協力者がいる者は(育児協力者がいないものと比べて)、夜間起床回数が少ない者は(夜間起床回数が多いものと比べて)、育児への肯定感が高くなる結果が示された。