日本「低所得者の割合」は世界的にも低いが…
OECDの資料で、常勤雇用者(雇用期間の定めのない会社員)の平均所得の3分の2にみたない「低所得者比率」をみていくと、日本は調査対象43ヵ国中32位で10.8%。G7に限ると、「アメリカ」23.8%、「カナダ」18.6%、「イギリス」18.0%、「ドイツ」16.9%に続き、第5位。常勤雇用に限ると、日本は低所得で困窮する人の割合は世界でも少ないといえます。
【世界主要国「低所得者比率」上位10】
1位「ブルガリア」29.34%
2位「ルーマニア」25.63%
3位「アルゼンチン」24.41%
4位「クロアチア」24.14%
5位「米国」23.81%
6位「ラトビア」21.74%
7位「リトアニア」21.69%
8位「イスラエル」21.26%*
9位「ハンガリー」19.85%
10位「エストニア」19.58%
出所:OECD(2020年)、資料: GLOBAL NOTE
*2019年の数値
では「雇用期間の定めのない会社員」がどれほどの給与を得ているか、厚生労働省『令和4年賃金構造基本統計調査』でみていきましょう。「雇用期間の定めのない会社員」(平均年齢42.8歳)の平均給与(所定内給与額)は月32.2万円、賞与も含めた年収は519.5万円。さらに正社員(平均年齢42.3歳)に限ると、平均給与は月32.9万円、賞与も含めた年収は534.2万円。非正規社員(平均年齢49.7歳)だと、平均給与は月20.9万円、賞与も含めた年収は286.6万円。
調査対象となった正社員は228万人、非正規社員は14万人。常勤雇用者において正社員の比率が高いことで、低所得者比率は低水準になっている可能性もあるでしょう。実際は非正規社員の年収は正社員の年収のおよそ半分。圧倒的な給与格差が存在しています。