「海洋散骨」は法律上問題ない!? トラブルを防ぐための“ルール”や“事前準備”について解説

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「海洋散骨」は法律上問題ない!? トラブルを防ぐための“ルール”や“事前準備”について解説

かつての日本では「遺骨は土に還すもの」と考えられており、遺骨は墓地に埋葬・納骨されることが一般的でした。しかし現在では、遺骨を海洋上に散布する「海洋散骨」という選択肢もあります。そもそもこの葬送方法は、法律上問題ないのでしょうか? 本記事では、現在の日本における散骨に関する法律を確認し、ルールや必要な手続き・書類、書類以外に準備しておくべきものについて詳しく解説します。

「海洋散骨」とは?

海洋散骨は、祭祀の目的をもって、故人の火葬したあとの焼骨を海洋上に散布することをいいます(一般社団法人日本海洋散骨協会ガイドラインより)。

 

自分の死後は自然に還りたい、大好きだった海に眠りたい、といった故人の意志や、さまざまな事情でお墓に入れない、お墓を持てないという悩みをお持ちの方に最適な葬送方法とされています。

 

海洋散骨の方法として、「船舶で行う方法」と「ヘリコプターやセスナ機で沖合いまで飛び、空から撒く方法」があります。

散骨に必要な「手続き」

日本では散骨に必要な手続きは存在しません。

 

海洋散骨を行うにあたって、地方自治体、市区町村の役所などで行政的な手続きは現在のところ、特に必要ではありません。これは、日本国内において、海洋散骨という葬送方法に対する法的・行政的な手続きの仕組みがまだ追いついていないともいえます。

 

他国の状況を見てみると、たとえばアメリカでは、カリフォルニア州など、海洋散骨を行うにあたって行政に届け出を行うことが義務付けられている州もあります。

散骨に関する「法律」

行政の手続きを行うためには、原則として根拠となる法律が必要となります。現在、日本の法律で散骨について明文化されているものはありません。

 

火葬後の遺骨について明文化されている法律としては、「墓地、埋葬等に関する法律」(略して墓埋法)があります。墓埋法の規定では、遺骨の埋葬は、墓地以外の区域に行ってはならないと定めています。

 

「埋葬」とは、遺骨を土中に埋めることをいいます。納骨堂などの建造物に遺骨を納めることは「収蔵」といいます。現在の日本の法律では、「埋葬」と「収蔵」については規定がありますが、「散骨」については特に明確な規定がないのが現状です。

 

散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)

2021年3月30日に、厚生労働省のホームページに「散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)」が掲載されました。

 

これは、2020年に行われた厚生労働科学特別研究事業における報告書の一部として、提案されたものです。このガイドラインでは、散骨を行う際の手続きについて、利用者と事業者のあいだで、しっかりとした契約を締結すること、という消費者保護の観点が明文化されています。

 

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