ワンマン社長が「会社存続」のために見直したこと
運送事業を営むA社は、創業者であるY社長がバブル経済期に労働時間の制限も考えず、ただひたすら働けるだけ働き、1代で社員10名程度になるまで拡大させました。
しかし時代は変化します。法律も整備され、従来の経営では成り立たなくなり、根本的な見直しが必要となりました。Y社長の古い考え方に若手社員がついてこられず、気づけば離職率の高い会社となっていたのです。
そこでY社長は自分の成功体験に固執することなく、下記の点を見直し、実践しました。
<見直した点>
1.社長も高齢になったことから、事業承継し法律に遵守するよう社内を整備
2.従業員の意見を聞くため、月1回のミーティングと個別面談を実施
3.安全衛生体制を見直し、従業員の健康管理、安全教育の実施
4.荷待ち時間をなくし、適切な運行計画の実施
5.荷主との情報連携を図る(運賃の見直しを含む)
6.業務効率化によりコスト削減分を従業員に還元
7.適正化し、働きやすい職場環境を外部へ発信することで、社会的信用を得る
これらを社内に根づかせることは想像以上に労力がかかり大変であったものの、労働環境の整備・業務効率化によって労働時間が減り、社員のストレスも軽減されたことで事故やトラブルが大幅に減少し、人材確保や新規受注にもつながるようになったそうです。またY社長は「なにより社内の雰囲気が明るくなった」と嬉しそうに話していました。
「昔はこうだった」「いまの若い人は」「スキルさえあれば」このように考えている事業主は要注意です。自らの考えに固執しすぎると従業員はついて来なくなります。組織のトップこそ、柔軟な考えを取り入れることが重要なのです。
Medical LIVES/シャープファイナンス
三藤 桂子
社会保険労務士法人エニシアFP
代表
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