長期・積立・分散投資をすれば、リスクを抑えながら安定した運用成績を出せるとされます。そのため、金融機関の証券営業マンなどから「まずは積み立てからはじめましょう」と勧められた経験がある人も多いでしょう。しかし、積立投資にもデメリットが存在すると、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏はいいます。投資の世界ではなかなか取り沙汰されない、積立投資のデメリットをみていきましょう。
金融機関がしきりに勧める「積立投資」…だれも教えてくれない「デメリット」 ※画像はイメージです/PIXTA

積立投資のメリット

まず「積立投資」という言葉の定義ですが、一般的には「一定期間ごとに一定の金額ずつ株式(等投資商品)を購入していくこと」とされています。

 

したがって、投資の三大原則とも呼ばれる「長期・積立・分散投資」というのは、「長期において、一定期間ごとに一定金額ずつ着々と、多数銘柄の株を買っていくこと」だといえます。

 

なお、「毎月1日に20万円ずつ」などと厳密ではなくても、ある程度定期的にある範囲内での金額で購入していけば、それも積立投資と呼んでよいでしょう。

 

そして、そんな積立投資のメリットは、2つ考えられます。

 

1つは、資産の一部が確実に現金から株式になっていく点。もう1つは、定期的に一定金額ずつ購入するため、高いときに少なく、安いときに多く買うことになり、自然と購入価格が平均化されるという点です。

 

前者は、不安がある人でも確実に株式を増やす強制力となります。そして後者は、高いときに買いすぎることを防いでくれます。高値で多く買ってしまうリスクを抑えながら、着々と株式を増やしていくことができるのが、積立投資のメリットだといえるのです。

熟練した投資家は積立投資をしない?

積立投資は上述したようなメリットを持つ反面、損失を積み重ね、大きなチャンスを逃しかねないというデメリットもあるのではないでしょうか。

 

株価が相応以上に高いときは、まったく買わずに現金で持っていたほうがベターです。高値で買えば、値上がりする確率よりも値下がりする確率のほうが高いからです。

 

逆に、株価が相応以上に安いときは大きなチャンスであり、多く買うのがベターでしょう。安値で買えば、値下がりする確率よりも値上がりする確率のほうが高く、多く買うことで大きな利益を狙えるからです。

 

しかし積立投資では、それらができません。つまり積立投資には、定期的な購入により着々と株式数を増やすことと引き換えに、「買うべきでないときに買って損失を重ね、買うべきときに大きな投資をする機会を逃してしまう」リスクが潜んでいるのです。

 

もちろん人によるでしょうが、熟練した投資家は、実は積立投資などあまり考えないのではないでしょうか。

 

適切なときに、(失敗したときのリスクも考慮しながら)最大限の資金を投じることが、最も儲かると知っているからです。

 

しかし、それをするためには、銘柄や株価を適切に評価する力が必要です。

 

ですから積立投資というのは、それらの力をまだ持っていない人向けの、「大失敗」を防ぐための投資法といえるのではないでしょうか。