まさかの人事降格…
予定どおりに40歳のときに新築の家が引き渡され、住宅ローンの返済がスタートしました。最初こそ予定どおりに余裕を持った返済が出来ていました。子供も生まれ、幸せを噛みしめていましたが……次第に「あれ?苦しいな」と思う月が増えていったのです。
10年後に繰り上げ返済をするつもりで貯蓄を勧めていましたが、あまり貯まりません。それどころか2,000万円あった貯蓄が目減りを始めたのです。結婚をして子供がいるのだから独身のときよりお金はかかるものだよな……と思ったものの、いったいなぜお金が足りなくなるのか正確に理解できません。
家計をすべて管理する奥様に訊いても、「手取りの月収が少ないから家計はそんなに楽ではないよ」と言います。そうかあ、とAさんは言いながらも不安感が日増しに強くなっていきました。
そんなときにAさんには不運が訪れます。営業課長をしていたAさんの直属の部下が、不正な伝票操作によって約1億円ものお金を横領していたことがわかったのです。部下は逮捕され当然懲戒解雇となりましたが、Aさんの責任を追及する声は社内で大きくなるばかり。部下が数年にわたって伝票操作をしていたことを見抜けなかったとして、Aさんは譴責処分と降格のうえ地方の支店への転勤が言い渡されてしまいました。
Aさんの年収は1,200万円から650万円に急減。マイホームがあるため、奥様と子供を残して単身赴任することに。Aさんは今後のお金は大丈夫なのか強い不安に襲われました。毎月の168,700円もの返済をしていくことが出来るのか? 老後は大丈夫なのか。
退職金が当初想定していた額より1,000万円以上減る可能性があります。本社に戻りかつての昇進のレールに乗ることは年齢的にもう見込みがありません。子供の教育費などを自分で計算していくと、老後はかなり厳しい生活になることがすぐにわかりました。
Aさんは奥様に「少しだけでいいから働いてくれないか」とお願いしたところ、奥様は相当なショックを受けたようで、泣いて怒ってしまいました。数日電話に出なくなったほどです。奥様は浪費の習慣があり、自宅にはブランドバッグや靴が所狭しと積み重なっているほどです。婚活アプリで知り合ったため、奥様の深いところまで知らずに結婚したことをAさんは少し後悔しました。
奥様に夫婦で家計を運営している自覚はなく、「働けと言われた、ひどい」と被害者意識を爆発させる状態。奥様が欲しかったのは「結婚している自分」と「裕福な暮らし」だったのかもしれません。家計が苦しくなり、貯蓄が減っているのは奥様の意識の未熟さも原因のひとつでしょう。
ともかく、Aさんは「年収に対して大きすぎる借金を抱えた人」となったしまったため、緊急でファイナンシャルプランナーに相談する必要がでてきました。そこで弊社に相談にいらしたのです。