1986年~91年のバブル景気のころ就職した「バブル世代」も、いまや50代。定年を控え、老後の資金繰りに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。そこで今回、FP事務所ストラット代表の伊豫田誠氏が、定年直前まで「無対策」で生きてきた59歳会社員K氏の収支シミュレーションをもとに、安心した老後を送るための資金形成について解説します。
年収580万円、中小企業勤務の59歳会社員…定年間近だが「75歳まで働かせてください」のワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

“老後赤字”まっしぐら…K氏を救う「不動産投資」

近年では、晩婚化などからライフイベントが後ろへ遅れる傾向があり、定年退職までに住宅ローンや教育費などを払いきることができない家庭も少なくありません。

 

定年退職後、再雇用になって収入が減ってしまうことに備え、繰り上げ返済や学資保険などを前もって準備しておけると理想的ですが、長引く不景気の影響で準備が不十分な家庭も多いのではないでしょうか。

 

ただ、一見お得に思えるマイホームの繰り上げ返済は、行うと団信(団体信用生命保険)の効果が無くなってしまうため、一概におすすめはできません。

 

1つの方法としては、マイホームのローンはそのままに、退職金を投資などに運用していくのが効果的でしょう。

 

不動産投資の場合、リスクを抑えて安定的な収入となるような物件に的を絞り、比較的都市部で駅から近い区分マンションを選ぶのがいいでしょう。駅近なら築年数はそれほど気にしなくても大丈夫です。

 

たとえばK氏の場合は、貯金500万円と退職金800万円を合わせた1,300万円を用いて、年利8%の区分マンションで運用すると、実質利回り6.0%ほど確保できれば、「年間78万円(月6.5万円)の収入が見込めます。

 

そうすると、2人目の子供が大学を卒業した62歳から、年金暮らしが可能となります。

 

実質利回り6%で運用できれば17年ほどで投資額の1,300万円を上回り、79歳以降も長生きすればお得になりますし、最終的に売ればそのときの不動産価格が現金収入となります。子供や孫に相続してもいいでしょう。

 

この間にもインフレが進み、家賃や不動産価格が上がっていく可能性もあるため、現金を先に使ってしまうような繰り上げ返済や、貯金を取り崩した生活よりも断然有利といえます。

 

K氏のように定年退職直前ではなく、50歳前後ならもう少し余裕を持った老後資産を準備できる可能性はまだあるので、不安を感じる方はFPに相談してみましょう。

 

 

伊豫田 誠

FP事務所ストラット

代表/不動産投資専門ファイナンシャルプランナー