自動レジや自動運転をはじめ、日常生活においてあらゆる場面で自動化が進むなか、「クオンツ」や「ロボアドバイザー」など、投資の世界でもコンピューター・AIを用いる方法が生まれています。これらが進化し、投資で人間を負かす日は来るのでしょうか? 株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏が解説します。
「人間」Vs.「コンピューター・AI」…投資の世界で勝つのはどちらか ※画像はイメージです/PIXTA

コンピュータはしょせん「計算機」…人のアイデアがなければ投資は難しい

しかし、ここで忘れてはいけない根本的なことが2つあります。

 

それはまず、コンピュータはしょせん計算機である、ということ。そしてもう1つは、どういう計算をさせるかは人間が決める、ということです。

 

コンピュータには、アイデアも意思も存在しません。あくまで与えられた入力に対して計算を行い、結果を出力しているだけです。

 

前述した「クオンツ・ファンド」は、そこで働く人たちが試行錯誤しながらアルゴリズムを改善していくことで、投資成績を高めてきました。

 

AIも、AI自身がデータを蓄積し、それをもとに計算方法や出力を変えることができますが、しかしどういう条件でデータを蓄積していくか、それによってどう計算方法を変えるかは、やはり人間がプログラミングしてあげなければなりません。

 

要するにコンピュータ・AIを利用した投資も、それを利用する人のアイデアや意思によって、結果が大きく変わるものなのです。

 

結論として、人間はコンピュータ・AIをずっと「利用してきた」のであって、それを利用する人間の能力はやはり不可欠です。コンピュータ・AI側が主となって投資で人間を負かすことなどない、といえるのではないでしょうか。

 

 

株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO

川合 一啓