「どんなに働いても収入は上がらず、一方で生活コストは上がり続ける」傾向が顕著になっています。消費者の購買力はますます落ち込み、日本経済はますます厳しいものになっていくでしょう――。スティーブ金山氏が著書『18歳になったら、必ず押さえておきたいFIRE黄金法則』(彩流社)にて解説している、「これからの日本経済が厳しい理由」10項目のうちの3項目を見ていきます。
「どんなに働いても収入が上がらない…」日本経済は今後“ますます厳しくなる”と言えるワケ (※画像はイメージです/PIXTA)

日本の国債が「無茶苦茶な状態にある」と言えるワケ

しかし、問題なのは、国債を引き受けて国にお金を貸してくれる人が、どちらを信じるかです。すでに日本の国債を引き受けているのは、[図表4]のように、日本銀行と市中銀行、生保や損保(つまり一般市民が加入している保険料の運用先)で、海外はわずか7.2%でしかありません。

 

出所:日本銀行「資金循環統計」
[図表4]国債などの保有者別内訳 出所:日本銀行「資金循環統計」

 

しかも、国債の引き受け先のほぼ半分は日銀です。自国の借金を自国が刷ったお金で賄っているというのは、無茶苦茶とも言えます。中央銀行で自国通貨を刷れる国の借金はいくらあっても問題ないというMMT理論は、日本のこの状態を見て正当化されていると言われています。

 

しかし、このような無茶苦茶なことをやっていると、いずれ信用をなくし、大幅な円安という形で日本経済を苦しめるのではないでしょうか。

 

 

スティーブ 金山

ゴールデン・グース合同会社 代表

機会投資家