街中を走るタクシー。コロナ禍、行動制限によって大きく打撃を受けた業界のひとつです。それに伴い、タクシードライバーの給与も減少。苦境にあえぐ声が聞こえてきました。みていきましょう。
男性会社員「平均月収38万円」だが…60歳・タクシードライバー、悲惨な手取り額に「もうムリ」 (※写真はイメージです/PIXTA)

全国で25万人のタクシードライバー

一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会『TAXI TODAY in Japan 2021』によると、2020年、全国のタクシーは17万7,367台、そのうち個人タクシーは2万9,649台。タクシー業界全体の従業員数は28万3,193人で、そのうち運転手は24万0,494人でした。

 

運転手の推移をみていくと、いまからさかのぼること20年前の2002年。この年に規制緩和が行われ、街中にタクシーが増加。それに伴い、タクシードライバーも急増し、2005年に38万1,943人。その後、増減はあるものの、ほぼ横ばいで推移。しかしリーマンショックを境に減り続けます。業界的にはインバウンド需要により盛り上がりをみせるも、コロナ禍で急ブレーキ。「タクシードライバーでは食べていけない」と離職者が増え、現在に至ります。

 

そんなタクシードライバーですが、学歴や経験を問われることはほとんどありませんが、普通第二種運転免許証が必要となります。また一部の地域では「タクシーセンター」の試験に合格する必要がある場合も。また会社によっては普通第一種運転免許証保有者を採用し、第二種免許取得のため養成訓練を行う場合もあるようです。

 

【タクシードライバーの学歴分布】

高卒未満:12.2%

高卒:50.0%

専門学校卒:5.4%

短大卒:2.7%

大学卒:20.3%

わからない:31.1%

 

【タクシードライバーの就業形態】

正社員:82.8%

契約・期間従業員:8.6%

自営・フリーランス:13.8%

アルバイト(学生以外):1.7%

 

出所:厚生労働省『jobtag』より

 

タクシードライバーで問題視されていることはいくつかありますが、そのうちのひとつが高齢化。厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、タクシードライバーの平均年齢は60.7歳、平均勤続年数は10.5年。全職種の中でも平均年齢の高さが目立ちます。最近は新卒者採用に力を入れ、2021年3月現在、新卒者採用は全国で924人となっています。また就職氷河期世代の正社員化の受け皿にもなっていて、「就職氷河期世代の方向けの短期資格等習得コース事業」で就職支援も行っています。