2022年10月~雇用保険料アップ…値上げ額は?
月に数百円レベルで手取りが減少……「たったそれだけか、安心した」と考えるでしょうか。確かにその額はランチ1回分ほどであり、すぐに生活が困窮する、という水準ではありません。ただ会社員の手取り額は、今回のように徐々に徐々に減少していく可能性が高いのです。
会社員、給与から天引きされているのはリタイア後を見据えた「厚生年金」、失業した時に再就職の支援を受けるための「雇用保険」、病気や怪我などをしたときのための「健康保険」、さらに「所得税」「住民税」といった税金、そして40歳になると支払いが始まる「介護保険」の6項目。その額、平均して8万〜10万円というのが、日本のサラリーマンの平均値です。
そして総務省『家計調査』で単身世帯の「勤務先給与」と税金や保険料などの合算である「非消費支出」をみていくと、2021年度の勤務先給与は平均33万8,106円、消費支出は6万4,219円。さらに20年ほど前の2002年についてみていくと、勤務先給与は32万5,559万円に対し、消費支出は5万6,106円。給与は上昇しましたが、その分、天引きされる金額も上昇。なかなか給与アップを実感できないのが現状です。
今回の保険料アップは新型コロナウイルスという未曽有の危機によるもので、予想だにできなかったことです。一方で、確実に予想できるのが日本の高齢化。高齢化率30%間近でありますが、さらに2040年には35%ほどに上昇する予測。現状のままで社会保障を維持できるわけはなく、現役世代の負担増は既定路線。給与があがるのは未知数ですが、天引き額が増額するのは確実です。
今回の天引き額アップは、たかが数百円、されど数百円。かといって、負担増の流れは止められないので、自身で対策を講じるしかありません。せめて負担増分だけでも所得を増やす自助努力を続けていかないと、「いつの間にか生活苦」という状況に陥ることになるでしょう。