都心を中心に増え続けるタワーマンション、通称タワマン。好立地や充実した設備など、さまざまなメリットがいわれる一方で、エレベーター渋滞、長い車の出庫待ちなど、デメリットを耳にすることもしばしば。実際の住み心地はどうなのでしょうか。東京・新宿区がタワマン住民に行った実態調査から紐解いていきましょう。
平均価格、驚異の1億円超えも…不安しかない、憧れの「タワマン暮らし」衝撃の実態 (※写真はイメージです/PIXTA)

最高価格3億円超…東京・新宿区のタワマンに誰が住んでいる?

——タワマンに二度住んでみたけど居心地がそんなによくなかった

 

ある女性芸人のテレビ番組でのコメント。憧れのタワマン生活だったけど自身には合わず、いまは引越してしまったといいます。

 

階数にして20階以上、高さにして60m以上の高層マンションであるタワーマンション、通称タワマン。そこに住むことはステータスであり、憧れを抱く人も多くいます。やたらと成功者の住まいとしてメディアに登場したからでしょうか、アンチも多いという不思議な存在です。

 

ただ実際に住んだことのある人は少なく、「リアルな住み心地はどうなんだろう」と疑問に思うところ。そこで東京・新宿区が行った『タワーマンション実態調査』で、タワマン生活はどのようなものなのか、紐解いていきましょう。

 

同調査で対象となったのは新宿区内のタワーマンション42棟。タワマンといえば、やはり気になるのは価格ですが、現在大手住宅ポータルサイトで掲載されている新宿区内中古タワマン118戸の平均価格は1億0,450円(2022年9月6日現在)。最低価格は1Kの3,000万円台ですが、最高価格は3LDKでなんと3億5,000万円。

 

ひと口にタワマンといってもピンキリではありますが、さすが東京・新宿、都心のタワーマンション。中古であるに関わらず、平均で億超えでした。しかも最高価格のタワマンは築20年弱。資産性の高さがタワマンの魅力のひとつといわれていますが、確かに、ほかのマンションに比べて高値で取引されているようです。

 

そんなタワマンに住んでいるのは、40〜60歳の現役世代が最も多く78.3%。続いて60歳以上の高齢者で13%でした。そんな60歳以上が多いのは、1990年代に建てられた築20~30年ほどのタワマン。タワマンに暮らす高齢者は、現役時代に新築で購入し、いまやタワマン暮らしの大ベテランといった存在、という人が多いようです。一方、40歳未満の若年層が多いのは2000年代に建てられた、築10〜20年のタワマン。新築ではとても高く手が出ないので、少しお手頃感のある中古でタワマン生活を実現……そんなお財布事情が想像されます。