15~39歳の若年無業者、75万人…ひきこもりの3分の1が30代以下
将来に希望をいだけない。きっかけはそんな理由だった人もいるかもしれません。内閣府が発表した『令和4年版子供・若者白書』によると、15~39歳の若年無業者の数は、2021年で75万人。15~39歳人口に占める割合は2.3%でした。
2020年はコロナ禍で厳しい行動制限もあったこともあり、その数は87万人と過去最高に達し、15~39歳人口の2.7%を占めていました。それに比べると、行動制限が緩やかになったからか、数値は改善しています。
就職希望でありながら、求職活動をしていない理由として、病気や怪我、勉強のためのほか、「知識や能力に自信がない」「(仕事を)探したが見つからない」「希望する仕事がありそうにない」など、働いて収入を得ている人からすると少々驚きの理由があげられています。ただ当事者でなければ理解されない理由に、この問題の根深さが秘められています。
また若者無業者とともに語られることの多い「ひきこもり」ですが、東京都江戸川区が大規模なひきこもりの実態調査を行っています。
江戸川区の人口はおよそ70万人。ひきこもり(江戸川区の定義では、仕事や学校等に行かず、家族以外の人との交流をほとんどしない人)とされたのは、7,919人で15歳未満の不登校の児童・生徒も合わせると9,096人ものひきこもりがいることが分かりました。
年齢別でみてみると、40代が最も多く17.1%、続いて50代が16.6%。また30代以下が36.2%と、ひきこもりの3人に1人は若年層であることが分かります。
またひきこもりの期間で最も多いのが「1年~3年未満」で28.7%。続いて「10年以上」という長期間のひきこもりが25.7%を占めています。
調査ではひきこもりの当事者が求めるものについても聞いています。それによると「何もない、今のままで良い」が32%と最も多い一方で、「就労に向けた準備、アルバイトや働き場所の紹介」が21%、「短時間(15分から)でも働ける職場」が18%と、現状を打破しようとする人も多いことが伺えます。
しかし「何も必要ない、今のままでよい」と回答している人たちへの支援も課題だとしています。どのように支援と繋がり、そして継続していくのか。社会全体で考えていくべき問題だといえるでしょう。