短期でのテンバガー達成銘柄を見つけるのは非常に難しい
ここでは便宜的に、5年以内でのテンバガー達成を「短期」だと定義します。1銘柄が5年以内に10倍以上の価格になるのですから、この場合投資としては大成功です。
単純にある会社が5年で利益を10倍にするためには、1年に約58.5%ずつ利益を増やしていく必要があります。それも「複利で」です(最初の年に58.5%利益を増やしたら、次の年はそこからさらに58.5%増やし、それを5年繰り返すということです)。
このように短期で利益を10倍にするような急成長企業をみつけることは、まず困難です。すでに大企業になっている会社が5年でテンバガーを達成するのは難しいでしょう。(ただし、まだ規模が小さい急成長企業ならば、不可能とは言い切れません。)
また、株価というのは将来への期待が織り込まれるものですので、その企業の実態以上に株価が値上がりしてしまうことが多々あります。急成長企業であれば尚更です。
ですから、たとえ急成長を続ける会社をみつけられたとしても、実態と比べてはるかに株価が割高になっているため、その時点で株を買っても5年のあいだに株価が10倍になるかどうかはわかりません。ならない可能性も十分考えられます。
このように、短期でのテンバガー達成銘柄を見つけるのは、非常に難しいといえます。
長期でのテンバガー達成銘柄もなかなかない
では、10年や20年といったもっと長い期間みれば、利益が10倍になるほどの長期的成長を続けてテンバガーを達成する銘柄をみつけられるでしょうか。
実はそれも、非常に難しいといわざるをえません。
たしかに10年や20年かけて利益を増やしていく会社ならば、株価も常に上昇基調にあるため、買うタイミングを大きく間違えなければ、利益が10倍になるとともに株価も10倍になり、テンバガーを達成できるかもしれません。
しかし、そのように長い期間成長が続くかどうかは、未来のことですので誰にも予想できない、というのが正直なところです。
したがって、長期でのテンバガー達成銘柄を見つけるのもまた、非常に困難です。