「金利」は景気の動向を反映するため、株式投資をする際の参考指標になります。しかし、その際注意すべきポイントがあると、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏はいいます。本記事で詳しく解説します。
金利とは?株式投資での生かし方と注意点【プロトレーダーが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

金利はあくまで「指標の1つ」…投資時の注意点

ただし、上記のような金利に基づいた株式投資には、いくつかの注意点があります。

 

1つは、「金利と個別銘柄の株価の上下は別物」だということです。やはり業績好調な会社の株価は、金利がどう動こうと上昇していく傾向があります。一方で、業績が下降している会社の株価もまた、金利の上下とは無関係に下落していく傾向があります。金利は市場全体の動向とは関連しますが、個別銘柄の株価との関連となると、無関係のことも多いのです。

 

2つめは、「株価には将来への予想が織り込まれている」ということです。金利の性質を考えれば、金利が下がったら株を買い、上がったら売ればよさそうなものですが、みんながそれを見越して早く多くの利益を得ようとした場合、株価も理屈通りには動かないことがあります。

 

たとえば金利が少し下がっただけで、「お金が株式市場に流入するから株価が上昇する」という予想に基づいてみんなが株を買い、それにより異常に株価が上がってしまうということもあります。

 

また他にも、異常な低金利が続き株価が高騰しているときに、中央銀行が政策金利の利上げを匂わせる発表をしただけで、「金利が上がると株価が下がるから、いまのうちに売っておこう」とみんなが考え、株価が急落するということもあります。

 

そう考えると、金利はあくまで指標のひとつであり、それだけに基づいて株式投資をするのは危険だといえます。金利の性質を知りそれを参考にしたうえで、他の視点も十分に活用して株の売買をすることをおすすめします。

 

 

株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO

川合 一啓