新築マンションは「買ったその日から価値が下がる」
「新築マンションはきれいだし設備も新しいから人気があって、空室になりにくそう」と思う方もいるかもしれませんが、新築マンションの価格には広告宣伝費や人件費などの初期販売の経費が中古物件よりも多く含まれるため、必然的に相場より高い価格設定になっています。
それだけに、家賃も高く設定する必要があるのですが、新築としての付加価値は、購入した途端に下がってしまうのも事実です。
もちろん、個々の物件により条件は変わってきますが、考え方によっては、「物件価格と家賃が割高な中古マンション」となるため、ほかの中古マンションと競合することになります。
こうなると、そう簡単にはマンションの借り手や買い手がつかなくなります。そうした実態をあとから知って、新築で買ったばかりの投資用マンションを売却しようとしても、もはや購入時の価格では売れません。
ですから、新築マンションは、購入したその日から価格が下がることを覚悟したうえで買うか、周辺の築10年くらいの中古ワンルームマンションの相場と同じくらいの割安な価格でなければ、いずれ後悔する可能性が高いでしょう。
売却したくても、結局は購入金額よりも値下げせざるをえなくなるため、その分の損失も生じてしまいます。仕方なく保有し続ける場合でも、空室対策のために家賃を下げざるをえなくなるため、当然ローン返済計画にも狂いが生じます。
家賃収入だけでローンの返済ができなければ、損失はすべてマンションのオーナーがかぶることになるのです。ですから、投資目的としてマンション購入を考える場合、「新築マンションはその対象からはずしましょう」と、私はお客様にはアドバイスしています。