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「FXの利益には税金がかかるの?」
「少しでも楽に確定申告を済ませたい」
「申告しなければバレないんじゃないの?」
といった悩みを持つ人はきっと多いはず。
FXの利益によって変動するのは住民税と所得税です。
私もFXを始めた頃は、税金に関してはあまり深く考えていませんでした。
とりあえず確定申告自体は行っていたものの、経費を計上できたり損失の繰越控除を受ければ税金を安くできるのを後から知りました。
そこでこの記事では、FXの税金の仕組みや確定申告の手順、合法的な節税策を徹底解説します。
・FXで得た利益には税金がかかる
・税金の計算方法
・FXの税金を他の投資と比較
・FXの確定申告が必要なケース
・確定申告から税金を払うまでの8つのステップ
・年間損益を自動で計算してくれる便利なFX会社2選
・FXの税金に関する6つの注意点
・税務調査の特徴と流れ
・FXの税金を合法的に抑える3つの方法
・FXの税金に関するFAQ
この記事を最後まで読むと、FXの税金に関する正しい知識が身につくのはもちろん、確定申告を手軽に済ませる方法や税務署から連絡があった時の対応まで幅広い知識が身につくでしょう。
・為替差益
・スワップポイント
・FXで得た利益には税金がかかる
・税金の計算方法
・1月1日~12月31日の利益が課税対象
・他の投資と損益通算できる
・FXの確定申告が必要なケース
・サラリーマン
・パート・アルバイト収入がある主婦や学生
・個人事業主や無収入の方
・確定申告から税金を払うまでの8つのステップ
・年間損益も自動で集計してくれておすすめなFX会社3選
・FXの税金に関する6つの注意点
・①確定申告は不要でも住民税の申告は必要
・②扶養に入っている方は合計所得金額に注意
・③特別徴収だと副収入の存在が会社にバレる
・④利益が出たら納税資金を確保する
・⑤FXの利益は税務署に筒抜け
・⑥期限までに確定申告しないとペナルティあり
・税務調査の特徴と流れ
・FXの税金を合法的に抑える3つの方法
・①年間の利益を調整する
・②必要経費を計上する
・③年間収支がマイナスでも確定申告する
・FXの税金に関する6つのFAQ
・Q1海外のFX口座なら税務署にバレない?
・Q2 確定申告が間違っていた場合、どうなるの?
・Q3 確定申告期限を過ぎると、損失の繰越控除は使えなくなる?
・Q4 自分で確定申告をするのが難しい
・Q5 行政指導や税務調査を受けると前科がつく?
・Q6 自己破産したら税金は免除される?
・まとめ FXの税金を正しく理解しよう
FXで得られる利益は2種類ある
FXで得られる利益は2種類あります。
①為替差益
②スワップポイント
税金の仕組みを理解する際の基礎知識なので、簡単に解説しますね。
為替差益
為替差益とは、為替レートの変動によって得られる利益です。
例えば1米ドル円=125円の時に米ドル円を1,000通貨買い、127円に上昇した時に決済すれば、
(127円-125円) × 1,000米ドル = 2,000円
2,000円の為替差益が出ます。
逆に、1米ドル円=125円で米ドル円を1,000通貨買った後、120円に下落した時に決済すると、
(125円-120円)× 1,000米ドル = 5,000円
5,000円の為替差損です。
FXの税金を計算する時は、1年間のすべての取引で生じた為替差益と為替差損を合計します。
例えば、1年間で5回取引をして、結果が+2,000円、-1,000円、-1,500円、+3,000円、+4,000円だった場合、為替差益は
2,000 - 1,000 - 1,500 + 3,000 + 4,000 = 6,500円
です。
スワップポイント
スワップポイントは、2国間の金利差から生じる損益です。
通貨ペアを保有したまま日をまたぐと、スワップの受払いが行われます。
例えばLIGHT FXの場合、2024年5月のメキシコペソ円のスワップは1万通貨当たり27.1円です。
10万通貨買って日をまたげば271円のスワップをもらえます。
逆に、10万通貨売って1日保有すると、271円のスワップを支払うことになります。
FXの税金を計算する時は、獲得したスワップはプラス、支払ったスワップはマイナスとして合計してください。
FXで得た利益には税金がかかる
FXで得た為替差益とスワップポイントは合計して「先物取引に係る雑所得等」に区分され、20.315%の税金がかかります。
以下3つのステップで、税金の計算方法と仕組みを解説しますね。
【税金計算の手順】
①税金の計算方法
②1月1日~12月31日に口座残高に反映された利益が課税対象
③他の投資と損益通算できる
税金の計算方法
FXの税金は下記の算式で計算します。
【FXの税金】
①先物取引に係る雑所得等=為替差益+スワップポイント-必要経費
②税金=①×20.315%
FXの税率は、どれだけ利益が出ても20.315%の固定税率です。
また20.315%の内訳は、所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%です。
例えば、為替差益50万円、スワップポイントがマイナス15万円、必要経費5万円の場合、
①50万円-15万円-5万円=30万円
②30万円×20.315%=60,945円
となります。
複数のFX会社を利用している場合、すべての口座の為替差益・スワップを合計して①を計算します。
1月1日~12月31日の利益が課税対象
課税対象になるのは、毎年1月1日~12月31日の間に口座残高に反映された為替差益とスワップです。
為替差益の場合、含み益が生じているポジションを決済して、実際にFX口座の残高に反映された時に税金がかかります。
スワップも為替差益と同じく、口座残高に反映された時です。
ただしスワップの場合、口座残高に反映されるタイミングがFX会社によって異なります。
【スワップが口座残高に反映されるタイミング】
ポジション決済前でも日々反映 | ポジション決済時に反映 |
・トレイダーズ証券 ・マネースクエア ・セントラル短資FX ・楽天証券 ・YJFX! |
・SBI FXトレード ・ヒロセ通商 ・GMOクリック証券 ・外為オンライン ・外為どっとコム ・FXブロードネット ・アイネットFX ・FXTF ・マネーパートナーズ ・DMMFX |
後ほど詳しく解説しますが、1年間の利益を調整して節税を狙う際には、スワップが口座残高に反映されるタイミングに注意が必要です。
他の投資と損益通算できる
FX以外にも、以下の取引から得た利益は「先物取引に係る雑所得等」に含まれます。
【FXと損益を相殺できる金融商品】
・バイナリーオプション
・CFD
・商品先物(金・とうもろこし・プラチナ・原油など)
・日経225先物
・TOPIX先物
同じ所得の取引同士で損益を合算することを「損益通算」といい、損失が出た取引があればプラスの取引から引いて税金を安くできるので、覚えておきましょう。
例えば、FXがプラス100万円、バイナリーオプションがマイナス40万円だったとします。
先物取引にかかる雑所得等 | 税金 | |
損益通算なし | 100万円 | 203,150円 |
損益通算あり | 100万円-40万円=60万円 | 121,890円 |
損益通算をした方が税金が安くなるのが判りますね。
なお、株式投資による売却損益(現物・信用)や配当金は、FXの「先物取引に係る雑所得等」とは損益通算できません。
これは株で得る利益が「株式等に係る譲渡所得等」に区分されるからです。
FXの確定申告が必要なケース
FXでは、1年間の利益が一定金額を超えると確定申告が必要です。
「一定金額」はサラリーマンや専業主婦など、FX以外の収入状況によって異なります。
ここでは代表的な3つのケースに分けて解説します。
①サラリーマン
②パート・アルバイト収入がある主婦や学生
③個人事業主や無収入の方
確定申告が必要となった場合は、翌年2月16日~3月15日に確定申告と納税の手続きを行いましょう。
サラリーマン
サラリーマン(給与所得者)の方は、1年間の利益が20万円を超えると確定申告が必要です。
確定申告が必要になる例とならない例は以下の通りです。
①為替差益 | ②スワップ | ③必要経費 | 1年間の利益①+②-③ | 確定申告 | |
パターン1 | 10万円 | 20万円 | 20万円 | 10万円 | 不要 |
パターン2 | 20万円 | 20万円 | 10万円 | 30万円 | 必要 |
為替差益とスワップを足して必要経費を引いた金額が、20万円を超えるかどうかで判定します。
パート・アルバイト収入がある主婦や学生
パートやアルバイト収入がある主婦や学生は、合計所得金額が48万円を超えると確定申告が必要です。
合計所得金額は給与所得とFXの利益の合計で、以下で計算します。
①給与所得=給与収入-55万円(給与所得控除)
②FXの利益=為替差益+スワップ-必要経費
③合計所得金額=①+②
④③が48万円を超えるかどうかで判断。
確定申告が必要になる例とならない例は以下の通りです。
①給与所得 | ②FXの利益 | 合計所得金額①+② | 確定申告 | |
パターン1 | 35万円 | 10万円 | 45万円 | 不要 |
パターン2 | 40万円 | 10万円 | 50万円 | 必要 |
給与所得とFXの利益という2つの要素で決まるので、合計所得金額を48万円以下に調整して節税する時はサラリーマンよりも注意が必要です。
個人事業主や無収入の方
個人事業主の方は、事業所得とFXの利益を足して48万円を超えると確定申告が必要になります。
無収入の方はFXの利益が48万円を超えると確定申告が必要です。
【個人事業主の場合】
①事業所得=事業収入-必要経費
②FXの利益=為替差益+スワップ-必要経費
→①と②の合計が48万円を超えるかどうかで判断。
なお、事業所得とFXの利益のどちらかが赤字でも、相殺することはできません。
①事業収入 | ②経費 | ③事業所得 | FXの利益 | 合計所得金額②+③ | 確定申告 | |
パターン1 | 200万円 | 180万円 | 20万円 | 20万円 | 40万円 | 不要 |
パターン2 | 200万円 | 170万円 | 30万円 | 20万円 | 50万円 | 必要 |
【無収入の場合】
・FXの利益=為替差益+スワップ-必要経費
→FXの利益だけで48万円を超えるかどうかで判断。
あわせて読みたい:初めてのFXの確定申告!19のステップで準備物とやり方が全てわかる
確定申告から税金を払うまでの8つのステップ
確定申告の準備から納税の手続きを完了するまでを8つの流れで解説します。
流れを知っておけば、初めてでもスムーズに手続きできますよ。
ステップ①源泉徴収票を用意する
サラリーマンやパート・アルバイト収入がある方は、給与所得の源泉徴収票を用意します。
源泉徴収票は1月下旬頃に勤務先から交付されるので、紛失した場合は勤務先に再発行を依頼しましょう。
事業所得者の場合は源泉徴収票が発行されないため、事業収入から必要経費を引いて自分で事業所得を計算します。
無収入の方は源泉徴収票を用意する必要はありません。
ステップ②FXの年間損益を計算する
以下の算式から、FXの年間利益を計算します。
FXの利益=為替差益+スワップ-必要経費
為替差益とスワップを計算した「年間取引報告書」を自動的に作ってくれるFX会社なら、1回の取引ごとの損益を自分で合計する手間が省けます。
複数のFX会社を利用していて年間取引報告書が2枚以上ある場合は、全ての報告書の損益を合計するだけでOKです。
ただし、必要経費は自分で計算しなければなりません。
ステップ③マイナンバーカードを取得する
次にマイナンバーカードを取得します。
このカードがあればe-Taxで確定申告ができるので、書面申告よりもスムーズです。
カードの発行は窓口に行かなくてもスマホで簡単に申し込めます。
申請内容に不備がなければ約1ヶ月で発行されます。
ステップ④マイナポータルと連携する
マイナンバーカードを使って確定申告を行うには、マイナポータル連携が必要です。
マイナポータル連携とは、ICカードリーダーがなくてもマイナンバーカードをスマホにかざすだけで確定申告書をe-Taxで送信するための手続きです。
マイナポータルを連携しない場合は、ICカードリーダーを購入するか、スマホにマイナポータルのアプリをダウンロードする必要があります。
下記のリンクからマイナポータルにアクセスして利用者登録した後、「連携できるサイトと機能」から「国税電子申告・納税システム(e-Tax)」に進めばマイナポータル連携は完了です。
ステップ⑤国税庁HP「確定申告書等作成コーナー」にアクセスする
マイナポータル連携ができたら、国税庁のHPから「確定申告書等作成コーナー」にアクセスします。
このコーナーは24時間無料なので、仕事などで忙しい方でも自分の都合に合わせて利用できますよ。
ステップ⑥確定申告書を作成してe-Taxで送信する
「確定申告書等作成コーナー」は画面に従って必要事項を入力すれば、自動で税金が計算される便利なシステムです。
入力が全て終わったら、送信前に確認用データがpdfで表示されるので、入力誤りがないかチェックしましょう。
誤りがなければ送信して、確定申告は完了です。
送信後に確定申告書の控えデータがpdfでダウンロードできるので、必要に応じて保存・印刷してください。
ステップ⑦所得税を払う
確定申告が終わったら、所得税を納付します。
税務署からの連絡を待つのではなく、自分で3月15日までに納付してください。
自宅で納付を完了させるには、振替納税かダイレクト納付が便利です。
クレジットカード納付は税額に応じて手数料がかかるので、付与されるポイントとのバランスには注意が必要です。
納付手続 | 納付方法 | 便利に利用できるケース | 納付手続に必要なもの |
ダイレクト納付 | e-Taxによる簡単な操作で 銀行口座から引き落とす |
・e-Taxで申告した ・日付を指定して納付をしたい |
・e-Taxの開始届出書 ・ダイレクト納付利用届出書 |
インターネットバンキング等 | インターネットバンキング等 から納付する |
・e-Taxで申告した ・インターネットバンキングやモバイルバンキングを利用している |
・e-Taxの開始届出書 ・インターネットバンキング又はモバイルバンキング契約 |
クレジットカード納付 | 「国税クレジットカードお支払サイト」 からカードで払う |
・インターネット環境がある ・クレジットカードを持っている |
・クレジットカード ・決済手数料 |
コンビニ納付(QRコード) | コンビニで納付 | ・金融機関や税務署が近くにない ・インターネット環境がある |
・コンビニ納付用QRコード |
コンビニ納付(バーコード) | コンビニで納付 | ・金融機関や税務署が近くにない ・税務署からバーコード付納付書をもらった |
・バーコード付納付書 |
振替納税 | 指定された日に銀行口座 から引き落とす |
確定申告を毎年する必要がある | ・振替依頼書 |
窓口納付 ※金融機関や税務署の窓口 | 金融機関又は税務署の窓口で納付 | 上記のいずれの手続も取れない | ・納付書(税務署の窓口では不要) |
ステップ⑧住民税を払う
次に住民税を納付します。
サラリーマンの方は特別徴収と普通徴収のどちらかを選択できます。
どの方法でも納付する税金は同じですが、会社にFX収入の存在を知られたくない場合は普通徴収を選びましょう。
サラリーマン以外の方は普通徴収のみとなります。
納付期限を過ぎると加算金や延滞金がかかるので、忘れずに手続きしましょう。
仕組み | メリット | デメリット | |
特別徴収 | ・サラリーマンの住民税を会社が毎月の給与から天引きして、 本人に代わって役所に納付する方法。 |
・毎月納付するので1回あたりの納税額が少ない ・会社が代行してくれるので手続きが不要 |
・副収入の存在を会社に知られる |
普通徴収 | ・5月~6月頃に役所から届く納付通知書に従い、自分で納付する方法。 ・自治体によっては口座振替やクレジットカード納付に対応。 |
・副収入の存在を会社に知られずに済む | ・年4回払いのため1回あたりの納付額が大きい ・自分で納付する手間がかかる |
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FXの税金に関する6つの注意点
FXの税金には6つの注意点があります。
【6つの注意点】
①確定申告は不要でも住民税の申告は必要
②扶養に入っている方は合計所得金額に注意
③特別徴収だと副収入の存在が会社にバレる
④利益が出たら納税資金を確保する
⑤FXの利益は税務署に筒抜け
⑥期限までに確定申告しないとペナルティあり
知らないと損なので、必ず覚えておきましょう。
①確定申告は不要でも住民税の申告は必要
確定申告が不要となる条件を満たしても、住民税の申告と納税は必要です。
なぜなら住民税には申告を免除する金額基準がないためです。
住民税の申告書はe-TaxからPCで作成して送信するか、住民票がある自治体から申告書を取り寄せて手書きで作成します。
PCさえあれば自宅で申告・納付を完結できるので、e-Taxが便利ですよ。
②扶養に入っている方は合計所得金額に注意
家族の扶養に入っている方は、FXでの利益が合計所得金額が48万円を超えると、扶養から外れます。
扶養から外れると、FXの利益よりも税金や社会保険料の負担が大きくなる恐れがあります。
扶養していた方 | 扶養に入っていた方 |
・配偶者控除や扶養控除が減り、税金が上がる ・会社から扶養手当などがもらえなくなる恐れ |
・税金がかかる ・場合によっては国民健康保険料がかかる |
③特別徴収だと副収入の存在が会社にバレる
住民税を特別徴収にすると、本業の給料以外に収入があることが会社にバレます。
FXの収益によって所得が増え、給料に対する住民税よりも多い金額が会社に通知されるからです。
はっきりとFXとはバレないものの、副業を疑われるなどトラブルを避けるなら普通徴収を選択しましょう。
【普通徴収の選択方法】
①「住民税・事業税に関する事項」をタップします。
②「1 給与・公的年金等以外の所得がある方の入力項目」で「自分で納付」のラジオボタンにチェックを入れます。
④利益が出たら納税資金を確保する
FXで利益が出たら、納税資金を確保してください。
FXの利益と税金が確定するのは年末ですが、所得税の納付は翌年3月まで、住民税を払い終えるのは翌年10月だからです。
そのため納付までに損失が出ると、納税資金がなくなる恐れがあります。
利益の20.315%を納税資金用に出金して別口座で管理しておけば、誤って使う心配はなくなりますね。
⑤FXの利益は税務署に筒抜け
FXで出た利益は税務署に知られています。
なぜなら法律上、FX会社は顧客の取引情報を法定調書として税務署に報告する義務があるからです。
税務署は無申告者を把握しており、3年泳がせてから連絡してきてまとめて税金を持って行かれます。
当然期限を過ぎているため、本来支払うべき税金(=本税)に加えてペナルティが課されます。
⑥期限までに確定申告しないとペナルティあり
期限を過ぎた時に追徴されるペナルティは下記のとおりです。
附帯税の名称 | 内容 | 免除基準 |
加算税 | 【無申告加算税】 ・申告していなかった税金の15% 【重加算税】 ・仮装または隠ぺいがあると認定された場合、 無申告加算税に代わって課される ・申告していなかった税金の40% |
・5,000円未満の場合は不徴収 |
延滞税 | 5月15日までの期間は年2.4% 5月16日以降の期間は年8.7% |
・1,000円未満の場合は不徴収 ・100円未満切り捨て |
延滞税は、住宅ローンなど銀行から借りる利率よりもはるかに高いです。
例えば、200万円の税金を6月30日まで申告しなかった場合、
・無申告加算税=200万円×15%=30万円
・延滞税=200万円×2.4%×61日÷365日+200万円×8.7%×46日÷365日=29,900円
合わせて329,900円の税金が追徴されます。
仮装または隠ぺいを行っていたと税務署から認定されると、
・重加算税=200万円×40%=80万円
・延滞税=200万円×2.4%×61日÷365日+200万円×8.7%×46日÷365日=29,900円
合わせて829,900円の追徴です。
税務調査の特徴と流れ
無申告者に対しては「無申告のお尋ね」という文書が送られるので、担当職員の指示に従って期限後申告と納付を行えば、ダメージは軽くて済みます。
なぜなら「無申告のお尋ね」は税務調査ではなく行政指導なので、延滞税はかかるものの、無申告加算税は5%に軽減されるためです。
しかしお尋ね文書を無視すると、職員は自宅や会社に電話・訪問するなどして連絡を取ろうとしてきます。
万が一電話の故障や出張・旅行などで長期不在にしていても、通常はこの段階で職員と連絡がつくでしょう。
どうしても連絡がつかなければ税務調査に移行され、更正処分(税金をかけられる)が行われます。
仮装または隠ぺいが認定された場合、無申告加算税15%に代えて、重加算税は40%です。
さらに、更正処分を受けた税金を滞納すると、
督促→催告→最終催告→財産調査→差し押さえ→公売
とステップが進み、大切な財産を失います。
FXが原因で生活を台無しにしないために、税務署から連絡が来たら早めに対応してくださいね。
FXの税金を合法的に抑える3つの方法
FXの税金を合法的に安くするには3つの方法があります。
①年間の利益を調整する
②必要経費を計上する
③年間収支がマイナスでも確定申告する
知らないと損をする恐れがあるので、しっかり覚えておきましょう!
①年間の利益を調整する
ひとつ目は、確定申告が必要になる金額以下に利益を抑える方法です。
そうすれば確定申告が不要になり、税金がかからないからです。
1月1日~12月31日の取引終了までに口座残高に反映された金額で判定するので、12月頭でいったん利益を計算して、残り1ヶ月で利益を調整できるか検討してみましょう。
例えばサラリーマンの場合、年間の利益を20万円以下に抑える手法として以下3つが考えられます。
12月頭の利益 | ポジションの含み益 | 節税手法 | |
ケース① | 15万円 | 20万円 | ・12月31日までに決済して口座残高に反映させる利益を5万円以下に抑える。 |
ケース② | 50万円 | -40万円 | ・12月31日までに30万円以上の含み損を決済して口座残高に反映させる。 |
ケース③ | -20万円 | 50万円 | ・12月31日までに決済して口座残高に反映させる利益を40万円以下に抑える。 |
ただし、上記はあくまで為替差益のみを考慮しているので、スワップが毎日口座残高に反映されるFX会社でポジションを保有し続ける場合は、スワップも計算に含めてくださいね。
②必要経費を計上する
忘れずに必要経費を計上しましょう。
必要経費を計上すれば、税率を掛ける元となる金額が小さくなり、税金が下がるためです。
必要経費は「FXの利益を得るために直接要した費用」に限られるため、FXとは関係ない生活費や遊興費は計上できません。
光熱費などFXとそれ以外で兼用の場合、使用頻度などの合理的な基準で割合計算する必要があります。
【必要経費の例】
・取引手数料
・PCやスマホ・タブレットの本体代と通信料
・取引ソフトやレンタルサーバーの利用料金
・本や電子書籍の購読料
・マーケット情報の配信料
・セミナーへの参加料や交通費・宿泊費
・筆記用具などの消耗品費
・家賃や水道光熱費、固定資産税
・借入金でFXをする場合の銀行に支払う利子
・税理士に支払う相談料や確定申告書の作成料金
判断に迷った時は国税局電話相談センターに聞いてみましょう。
あわせて読みたい:【もったいない!】FXの経費精算で節税対策スマホ代も経費で落とせた
③年間収支がマイナスでも確定申告する
年間収支がマイナスでも確定申告をしてください。
損失の繰越控除を受けることで、損失が出た年から3年以内の利益と相殺できるからです。
繰越控除を受けた場合と受けない場合では税金は大きな差が出ます。
繰越控除有無 | 区分 | 令和4年 | 令和5年 | 令和6年 | 令和7年 |
繰越控除なし | 損益 | -100万円 | 30万円 | 40万円 | 50万円 |
繰越控除なし | 税金 | 0円 | 60,945円 | 81,260円 | 101,575円 |
繰越控除あり | 損益 | -100万円 | 30万円→0 (残70万円損失) |
40万円→0 (残30万円損失) |
50万円→20万円 |
繰越控除あり | 税金 | 0円 | 0円 | 0円 | 40,630円 |
損失の繰越控除を受けるには、毎年確定申告をする必要がある点に注意しましょう。
FXの税金に関する6つのFAQ
FXの税金でよくある質問を6つ紹介しますので、疑問がある方は参考にしてくださいね。
Q1 海外のFX口座なら税務署にバレない?
海外のFX口座でも税務署にバレます。
海外の口座に送金すると、送金業者(金融機関)がその情報を税務署に報告する義務があるからです。
国内業者と違い、海外業者には取引情報そのものを税務署に報告する義務はないものの、送金情報から間接的にFX取引がバレます。
また、税務署は送金情報以外にも海外の税務当局に情報収集を依頼できるネットワークを持っているので、逃げ切るのは難しいでしょう。
Q2 確定申告が間違っていた場合、どうなるの?
確定申告の内容に誤りがあった場合は、「修正申告」または「更正の請求」という手続きで正しい金額に直してください。
どちらの方法で行うかは、誤りの内容によって決まります。
誤りの内容 | 備考 | |
修正申告 | 税金が過小・損失が過大 | ・自主または行政指導なら加算税は免除 ・延滞税はかかる |
更正の請求 | 税金が過大・損失が過小 | ・証拠書類の添付が必要 ・特段ペナルティはない |
修正申告・更正の請求は、国税庁HPから手続きできます。
自分で誤りに気づく前に税務署から連絡が来ても、担当職員の指示に従って手続きすれば大丈夫です。
Q3 確定申告期限を過ぎると、損失の繰越控除は使えなくなる?
申告期限(3月15日)を過ぎても、損失の繰越控除は使えます。
なぜなら、期限内の申告は繰越控除の要件ではないからです。
損失をまったく申告していなかった方は、過去3年分と今の年分を古い順に申告すれば繰越控除が使えます。
ただし、医療費控除やふるさと納税など、FX以外の内容で既に確定申告をしていた場合は、FXの損失を後から追加することはできません。
Q4 自分で確定申告をするのが難しい
自分で確定申告できそうにない場合は、税務署の相談窓口に行くか、税理士に申告を依頼する方法があります。
税務署は事前予約が必要な場合があるので、行く前に電話で問い合わせましょう。
サラリーマンやパート・アルバイト収入のみの方は、
- 給与所得の源泉徴収票
- FXの年間損益が分かる書類
- マイナンバーカード
の3つを持っていけば、職員が申告書の作り方などをアドバイスしてくれます。
個人事業主やそれ以外の収入がある方は、上記②と③のほかに必要な書類を電話で聞いてから税務署に行きましょう。
ただし確定申告の時期(2月16日~3月15日)は税務署は非常に混雑し、半日以上待たされるケースがあるようです。
12月や1月は空いていることが多いので、初めての人は余裕を持って確定申告について調べておくと良いでしょう。
税理士は相談料や申告作成料がかかるものの、必要な書類さえ提出すれば税務署に行かなくても申告手続きを代行してもらえます。
Q5 行政指導や税務調査を受けると前科がつく?
行政指導や税務調査を受けただけでは前科はつきません。
なぜなら行政指導や税務調査で課される加算税や延滞税は、罰金ではなく行政罰(いわゆる青切符)だからです。
お金さえきちんと払えば問題ないので、税務署から申告漏れや連絡がきたら早急に対応してください。
Q6 自己破産したら税金は免除される?
自己破産をすれば借金は免除されますが、税金は免除されません。
自己破産後に税金を滞納すると督促や差押えがされるので、早めに税務署に相談しましょう。
そもそも借金でFXをするのは資金繰りに問題があります。
FXは、失っても生活に支障が出ない余剰資金で行ってください。
まとめ FXの税金を正しく理解しよう
上記で紹介した「FXの税金の仕組みと必要な手続き」を知っておくと、不知やうっかりミスで損をする心配はなくなり、安心して取引に専念できます。
最後にもう一度、内容を確認しましょう。
・FXの利益が一定以上を超えると翌年3月15日までに確定申告と納付が必要
・国内FXだろうが海外FXだろうが無申告は税務署にバレる
・損失が出ても申告すれば繰越控除で節税できる
「税金は難しそう」と敬遠しがちですが、FXの税金は知らないと損をする論点がたくさんあります。
特に損失の繰越控除は3年間の利益と相殺できるので、節税効果が大きいです。
取引手法を磨くのはもちろん大事ですが、税金の知識を持っていて損はありませんよ!
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