医師は高所得である一方、「退職金はナシ」というケースが少なくありません。たとえもらえたとしても僅かな額です。さらに、引退後の年金も雀の涙ほどの金額であり、生活水準を落とさずに“豊かな生活”を続けることは、けっして簡単なことではありません。そこで、生活水準を落とさずに老後も“豊かな生活”を過ごすためにはどうすればよいか、みていきましょう。

お金は「稼ぐ」のではなく「育てる」

引退後、継続的に収入を確保するには、発想を転換しなければなりません。それは、働いてお金を「稼ぐ」ことから、お金を「育てる」方向にシフトすることです。具体的には、資産を運用することで収益を得る仕組みを作ります。

 

ここで検討したい手法が不動産投資です。マンションなどを購入し家賃収入を得る不動産投資は、ミドルリスク・ミドルリターンの資産運用法で、医師におすすめの手法といえます。

 

医師は高収入である反面本業が忙しく、本業以外の部分で時間を捻出することは簡単なことではありません。

 

その点、不動産投資は、不動産を一度購入すれば家賃管理・物件管理の大部分を管理会社に委託できます。よって、本業の時間を圧迫されることなく投資が可能です。

 

ただし、投資である以上リスクはあります。最大のリスクは買った不動産に入居者が入らず家賃収入が途絶えることです。

 

空室リスクを左右する最大の要因は不動産の立地ですから、セミナーに参加するなどして信頼できる不動産会社をみつけ、情報を収集することが非常に大切です。

各協会の年金は今からでも加入できる

国民年金・厚生年金以外の年金への加入も、引退後の重要な収入源となります。医師が公的年金以外に加入できる年金は、比較的年齢層が高くても加入できるものがあります。

 

まずは、日本医師会が運営している医師年金です。医師年金は日本医師会の会員で申込時点の年齢が64歳3ヵ月未満であれば加入できます。加入者全員が払い込む基本年金保険料が月額1万2,000円、任意の加算年金保険料は1口6,000円からで、上限はありません。

 

次に、全国保険医団体連合会が運営する保険医年金は満74歳まで加入可能です。
保険医年金は1口1万円、30口まで積み増し可能で、急な資金需要が発生したときは一時金として一部解約することもできます。

 

そして、開業医が任意に加入すると公的年金に上乗せでき、節税効果もある国民年金基金も活用できます。

 

国民年金は原則として20歳から60歳まで40年間保険料を支払うことで65歳から年金を受け取れますが、加入期間が40年に満たない場合、受け取れる年金が少なくなってしまいます。

 

このとき60歳から65歳まで国民年金に任意加入することで年金額を増やせます。そしてこの期間は国民年金基金にも加入可能です。

 

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本記事は、「医療と生きる人々が、生の情報で繋がる」をコンセプトにシャープファイナンス株式会社が運営する医療プラットフォーム『Medical LIVES』のコラムより、一部編集のうえ転載したものです。