日々、ウクライナの悲惨な状況が報道されていますが、そんなニュースに触れた子供たちが過度な不安や恐怖を抱く場合があります。そんな子供たちの不安に対し、きちんと現状を知ったうえで答えることはできるでしょうか。防衛省『防衛白書』から、日本を取り巻く現状をみていきます。
「プーチン、日本に攻めてこないよね?」…怖がる子供からの質問にどう答えるか?

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日本周辺で「軍事的脅威」は拡大しているが…

ロシアによるウクライナ侵攻。当初の大方の予想とは違い、長期戦になっていますが、それに伴い、悲惨なニュースが次々と舞い込んできています。

 

その数があまりに膨大なので、大人でさえストレスを感じてしまうほど。子どもならなおさらです。「日本は大丈夫かな……」「日本に攻めてこない?」などと、不安を口にする子どもも少なくありません。そんな問いに対して、大人は「大丈夫」と自信をもっていえるでしょうか。防衛省『令和3年防衛白書』で、日本の防衛、安全保障について確認していきます。

 

白書では、冒頭「わが国周辺には、質・量に優れた軍事力を有する国家が集中し、軍事力のさらなる強化や軍事活 動の活発化の傾向が顕著となっている。 」としています。

 

見渡せば、半世紀以上も分断が続いている韓国と北朝鮮、台湾を巡る問題、南シナ海を巡る問題と、さまざまな領土問題が存在します。いわゆる「グレーゾーン事態」が点在していますが、今後、その問題が拡大、さらには重大な事態へと発展していくリスクを内包していると指摘しています。

 

そのような状況でありながら、日本周辺にはNATOなどのように安全保障面の地域協力枠組みはありません。米国という存在はありますが、脅威に直面している国と比べると、数では見劣りしているといえます。

 

【日本周辺の兵力(概数)】

◆日本

陸上兵力:14(15)万人、艦隊:140隻51万トン、作戦機:350機

◆在日米軍

陸上兵力:2(1)万人、作戦機:150機

◆米国第7艦隊

艦隊:30隻40万トン、作戦機(艦載):50機

 

◆台湾

陸上兵力:9(15)万人、艦隊:250隻20.5万トン、作戦機:520機

 

◆韓国

陸上兵力:46(52)万人、艦隊:230隻26万トン、作戦機:640機

◆在韓米軍

陸上兵力:2(5)万人、作戦機:80機

 

◆中国

陸上兵力:97(210)万人、艦隊:730隻212万トン、作戦機:2,900機

◆北朝鮮

陸上兵力:110(33)万人、艦隊:800隻11万トン、作戦機:550機

◆極東ロシア

陸上兵力:8(12)万人、艦隊:260隻61万トン、作戦機:320機

 

出所:防衛省『令和3年防衛白書』より