総務省の家計調査によると、医師をはじめとする高所得者の生活費は非常に高額(月額80万程度、年間1,000万円程度)であり、「実は貯蓄もままならない」といった現実があります。高所得者の浪費生活から一転、生活資金にさえ困る悲惨な老後を送らないためにできることを紹介します。

公的年金だけに頼らない私的年金のすすめ

公的年金で生活を賄えない場合は、それ以外の収入を考えなければなりません。ここで考えられる仕組みが公的年金以外の私的年金制度です。

 

まず、日本医師会が運営している「医師年金」があります。医師年金は、加入すれば全員が払い込むことになる基本年金保険料と、任意で払い込む加算年金保険料があります。

 

保険料は基本年金保険料が月額1万2,000円、加算年金保険料は1口6,000円で上限はありません。原則として65歳から受給開始となり、加入者が存命である限り、一生涯年金を受け取れます。

 

個人型確定拠出年金(iDeCo)をご存じの方も多いでしょう。iDeCoは拠出金の支払いと運用を行うことで60歳以降に年金を受け取れる仕組みです。

 

また、拠出金の支払いや運用の時点で税制上の優遇措置が設けられています。このため現役時代には節税手法として、老後は公的年金に上乗せできる私的年金として二重のメリットを受けられます。

 

これらの私的年金制度を上手に使うことで、貯蓄の形で高額の資産を準備しなくても継続的に収入が得られます。

「引退後の生活」をイメージして早めの準備を

医師は高収入とはいえ支出も多く、気づいたら貯蓄ができていないことも考えられます。もはや公的年金さえあれば安心できる時代ではありません。ご自身が引退した後の資金は、ご自身で準備する覚悟が必要です。

 

そのためにもまずは必要になる金額をシミュレーションし、できるだけ早く準備を始めましょう。高所得の医師はいったん貯蓄の準備を始めれば様々な手法を検討できます。

 

安心できる老後のために、引退後の生活をイメージするところから始めてみてはいかがでしょうか。

 

 

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本記事は、「医療と生きる人々が、生の情報で繋がる」をコンセプトにシャープファイナンス株式会社が運営する医療プラットフォーム『Medical LIVES』のコラムより、一部編集のうえ転載したものです。