他人と比べてもよくない、と分かっていてもつい比べてしまう給与。先日、発表された「バンダイナムコエンターテインメント」の基本給引き上げのニュースに、ある意味ショックを受けた人も多いことでしょう。日本人の給与と将来について考えていきます。
バンダイナムコ「基本給5万円引き上げ」…手取り20万円の「ちょうど真ん中の日本人」から羨望の眼差し

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全社員の基本給「平均で5万円」引き上げ、初任給は29万円に

先日、バンダイナムコエンターテインメントが、給与水準を引き上げ、社員のモチベーションの向上、組織の活性化を目指し、新報酬制度を導入すると発表しました。その結果年収における月額給与の比率が引き上がり、全社員の基本給は平均5万円引き上がり、初任給は23.2万円から29万円程度になるといいます。

 

厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査』によると、基本給の平均は月額30万7,700円、平均年収は推定487万2,900円です(男女計、学歴計、平均年齢43.2歳)。大卒男性に限ると、基本給の平均は月額39万1,900円、平均年収は推定637万9,300円です(平均年齢42.7歳)。

 

もちろんこれはあくまでも「平均」。平均をはるかに超えている人が値を引き上げていることもありますし、その逆もあります。そこで、ちょうど真ん中である「中央値」を探っていきましょう。

 

男女計、学歴計でみてみると、上位10%は月額48万2,700円。上位25%で月額35万6,600円。そして中央値は26万7,200円。手取りにすると、「月額20万円」。これが日本人の「ちょうど真ん中」です。

 

また大卒男性に限ると、上位10%で月額62万8,300円、上位25%で月額46万6,200円、そして中央値は33万5,900円。手取りにすると25万~26万円。これが、大卒男性の「ちょうど真ん中」となります。

 

ちなみに下位25%になると月額21万2,200円、大卒男性に限ると25万5,900円。下位10%だと月額17万5,900円、大卒男性に限ると21万6,000円。

 

平均給与という話になると「自分はそんなにもらっていない!」「そんなに平均が高いとは……」という声があがりますが、「ちょうど真ん中」をみてみると、平均値よりは数万円低いことがわかります。

 

大卒の初任給の平均は、ちょうど大卒会社員の下位10%にあたります。冒頭のバンダイナムコの例は、あくまでも基本給の話であり、年収も増えるとは限りません。ただ基本給が5万円アップ……なんとも羨ましい話です。