決して景気は良くないのに、新築マンションの販売に関しては、「平均価格、過去最高を更新」というニュースが聞こえてきます。そんなマンション販売を引っ張っているのが、「夫婦どちらも高収入の共働き世帯」。しかしローンの組み方によっては大きなリスクを抱えているといいます。みていきましょう。
夫婦で年収2,000万円…羨望の「タワマン購入」の先に待つ、まさかの顛末

高額の「ペアローン」に潜む落し穴に高収入夫婦が悶絶

会社員世帯で億ションを購入……なんとも夢のある話ですが、パワーカップルが多額のローンを組む場合、注意しなければならないことがあります。それは、二人とも高収入が前提のローンだということです。

 

仮に奥さんが妊娠・出産、育児でキャリアが中断されたとしたら。親の介護で思うように働けなくなったら。そのようなライフイベントが起こることは当然考えられます。また会社員である以上、勤務先の業績悪化、それに伴い給与減、ということも考えておく必要があるでしょう。

 

前出のシミュレーションは「夫婦ともに月16万円を支払い続ける」ことが前提になっていますから、どちらか一方が欠けてしまえば、華々しい億ション生活も簡単に破綻してしまいます。

 

高収入のパワーカップルが本当に無理なくマンションを買うなら、ペアローンを利用したとしても、どちらか一方の収入になっても返済が続けられることが前提だといえるでしょう。

 

ペアローン利用割合は、既婚・共働き世帯で49%、既婚・共働きで世帯年収1000万円を超える世帯では75.9%だといいます(株式会社リクルートすまいカンパニー「2020年首都圏新築マンション契約者動向調査」より)。そのなかには、確実に「ローン破産予備軍」がいると考えられるのです。