「世界一の投資家」「オマハの賢人」などと称され、株式投資をしているなら知らない者はいない、ともいえる「ウォーレン・バフェット」。彼の手法はよく「超優良企業への超長期投資」といわれますが、しかしそこには誤解があると、株式会社ソーシャルインベストメント取締役CTOの川合一啓氏はいいます。みていきましょう。
世界一の投資家「ウォーレン・バフェット」…多くの投資家がしている大誤解 ※画像はイメージです/PIXTA

すべて「バフェット」のように真似することはできるか?

さて、そんなバフェット氏に憧れる個人投資家は多いでしょう。しかし、若かりし頃でも現在でも、バフェット氏と一般の個人投資家は、能力や気質、置かれている環境が異なります。

 

彼のようにあらゆる手段で利益を出そうと時間や労力を捻出できる人は少ないかもしれませんし、コカ・コーラのような超優良企業をまずまずの値段で変える機会は今はないかもしれません。また、彼のような企業価値評価能力や冷静さを、持っていない人もいるでしょう。少なくとも、上場大企業の経営者である彼のような情報や人脈を持つ個人投資家はいないでしょう。そして、彼はアメリカ人ですが、ここは日本であり、各企業の文化や株主への考え方にも違いがあるでしょう。

 

したがって、彼の投資スタイルをそのまま真似しても、うまくいかない可能性は十分にあり得るのです。

 

偉大な投資家であるバフェット氏ですが、彼のことは部分的に参考にしつつも、自分にもっとも適した投資スタイルを確立することの方が、大切ではないでしょうか。

 

まとめ:あなたはバフェットではない

「超優良企業への超長期投資」のイメージがあるバフェット氏ですが、若い頃に比べて運用資金が大きくなり買える株に限りが出てきたため、そうせざるを得なかった、という面もあるようです。また、実際にそうしているのは一部の銘柄にすぎず、もっといろいろなスタイルの投資をしてきています。

 

しかし、「価値より安い価格で買う」という哲学は不変のようです。

 

そんなバフェット氏に憧れる個人投資家も多いでしょうが、能力や気質、置かれている環境が違うため、彼の投資スタイルをそのまま真似しても、うまくいかない可能性は十分にあります。彼のことは部分的に参考にしつつも、自分にもっとも適した投資スタイルを確立することの方が、大切ではないでしょうか。