通勤や通学の足として、利用している人も多い鉄道。国土交通省『鉄道統計年報』によると、日本には公営も含めて170を超える鉄道事業者が存在しているそうです。1年でどれほどの人を運び、どれほどの売上をあげているのか、みていきましょう。
全国「鉄道事業者」ランキング…トップは1年で65億人を運び、売上規模は1兆円超え (※写真はイメージです/PIXTA)

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日本で最も「人を運んでいる」鉄道業者は?

全国には大小170以上の鉄道業者(公営含む)があります。そのなかで最も人を運んでいるのは「JR東日本(東日本旅客鉄道)」。首都圏を営業エリアとし、東北新幹線や上越新幹線、北陸新幹線(高崎駅~上越妙高駅)なども、JR東日本の管轄です。JRグループ各社の中で営業路線は最長で、運輸実績は年間65億人にも達します。

 

2位は「東京メトロ(東京地下鉄)」で、銀座線のほか9つの地下鉄を運営。1年で27億人もの人を運んでいます。

 

3位は「JR西日本」。関西~中国地方が営業エリアで、山陽新幹線や北陸新幹線(上越妙高駅~金沢駅)も管轄しています。


 

【全国鉄道業者「輸送人員」トップ10】

1位「東日本旅客鉄道」650,715.7万人

2位「東京地下鉄」276,500.3万人

3位「西日本旅客鉄道」191,156.6万人

4位「東京急行電鉄」116,603.4万人

5位「東京都」103,700.7万人

6位「大阪市高速電気軌道」92,970.0万人

7位「東武鉄道」92,097.5万人

8位「小田急電鉄」76,532.7万人

9位「京王電鉄」67,256.5万人

10位「西武鉄道」66,198.9万人

 

出所:国土交通省『令和元年度 鉄道統計年報』

 

首都圏、関西圏、中京圏と、人口の多い地域が上位を占めているなか、20位「札幌市」2億8,313万人と、やっと三大都市圏以外の鉄道業者が登場します。

 

さらに輸送人員の構成比でみていくと、定期券利用者の割合が最も高いのは「養老鉄道」で78%。近畿日本鉄道の子会社で、岐阜県西部〜三重県北部にかけて走る養老線(「桑名」駅〜 「揖斐」駅)57.5kmを運営しています。2位はいわて銀河鉄道線(「盛岡」駅〜「 目時」駅)82.0kmを運営する「IGRいわて銀河鉄道」。3位は石川県から新潟県にかけて走るあいの風とやま鉄道線(「倶利伽羅」駅~「市振」駅)100.1kmを運営する「あいの風とやま鉄道」。首都圏の鉄道業者で最も定期券利用の割合が高いのは「埼玉高速鉄道」で、73%でした。

 

一方で定期外利用者の割合が最も高いのは、「舞浜リゾートライン」で99%。利用者のほとんどが観光客です。2位は「長崎電気軌道」で88%、3位は「函館市(函館市企業局交通部)」。どちらも路面電車を運営しています。やはり観光鉄道の性格が強い路線を運営する業者が上位にランクイン。首都圏では「箱根登山鉄道」が7位、「江ノ島電鉄」が13位、「ゆりかもめ」が15位に入っています。