なかなか終わりが見えてこない新型コロナウイルスとの戦い。そのなかで破産に追い込まれる人も珍しくありません。裁判所の資料から、日本の自己破産の現状をみていきます。
都道府県「破産件数」ランキング…1位「北海道」と47位「富山県」に2倍の格差 (※写真はイメージです/PIXTA)

都道府県別「破産件数」調査…件数1位は「東京都」だが

破産事件(2020年)について、もう少し細かくみていきましょう。全国の破産件数は7万8,104件。47都道府県で最も多いのは「東京都」で10,737件。「大阪府」7,490件、「神奈川県」5,521件、「北海道」4,575件、「埼玉県」4,172件と続きます。

 

人口の多い県が上位の傾向があるので、人口比でもみていきましょう。総人口あたり破産件数が最も多いのは「北海道」。人口10万あたり87.49件。続いて「大阪府」で84.70件。「東京都」「宮城県」「宮崎県」と続きます(関連記事:『都道府県「破産件数」(人口10万人あたり)ランキング』)。

 

【都道府県人口10万人当たりの「破産件数」上位5】

1位「北海道」4575件/87.49件

2位「大阪府」7490件/84.70件

3位「東京都」10737件/76.34件

4位「宮城県」1718件/74.58件

5位「宮崎県」791件/73.91件

 

出所:裁判所「司法統計月報(速報値)」2020年12月より算出

※数値左:2020年度累計、数値右:人口10万人当たりの件数。人口は2020年国勢調査結果を参照

 

一方で人口当たりの破産件数が最も少ないのは「富山県」で、人口10万人あたり42.10件。「群馬県」「三重県」「山口県」「岐阜県」と続きます。1位の「北海道」と47位「富山県」で2倍という大きな地域差が生じています。

 

また前年と比べた増減率(2019年と2020年)でみてみると、コロナ禍で破産件数が最も増えたのが「大分県」。前年比121.6%でした。100%を超えたのはほか、「山梨県」や「岐阜県」など16県。コロナ禍、国からの支援もあり、意外と自己破産件数は減少したという結果がみえてきました。

 

ただコロナ後を見据えた動きが出てきているなか、これまで通りの支援があるかは疑問です。支援が縮小されれば、破産に追い込まれる人も増えてくるでしょう。今後も実情に即した素早い支援が求められています。