(※写真はイメージです/PIXTA)

新型コロナウイルスのパンデミックからおよそ2年が経とうとする現在。国内では新規感染者数に落ち着きがみられるものの、世界では「オミクロン株」が流行するなど、依然予断を許さない状況が続いています。こうしたなか、医学博士でありながら防災・危機管理アドバイザーとして活動する古本尚樹氏が、まだ終わらないウィズ・コロナ時代に、徹底したい「危機管理」の基本を紹介します。

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新型コロナウイルス感染がおよぼす多面的な影響

現在(2021年12月16日)、日本での新型コロナウイルスの感染者数は少なくなっているが、次の第6波への警戒が続いている。海外では感染者が増加している。

 

また変異株であるオミクロン株の影響が明確でないなかで、デルタ株含め、国内での感染拡大が危惧される。

 

この新型コロナウイルスは、感染した場合はもちろん、感染しなくても感染対策による独特の生活スタイルや雇用での影響等により、私達の健康に直接的にも間接的にも影響をおよぼしている。

 

新型コロナウイルスの「直接的な」健康への影響

感染から潜伏期間後、発熱、鼻水、喉の痛み、せきなどの呼吸器症状や、嗅覚異常や味覚異常等が発症。また、肺炎が悪化して酸素投与や人工呼吸管理が必要になることがあり、高齢者や基礎疾患、成人病などがある人、また妊娠後期の人で重症化のリスクがある。

 

なお、発症後7日間くらいは、他者への感染可能性がある。特に、発症直前や直後がもっともウイルス排出量が多く、感染のリスクが高まることが考えられている。

 

また、治療や療養が終わっても一部の症状が長引くことがあり、後遺症に苦しむケースもある。

 

具体的には、肺機能の異常、筋力低下や息苦しさ、疲労感、倦怠感、息苦しさ、睡眠障害、思考力や集中力の低下、脱毛、筋力低下、頭痛、嗅覚味覚障害、嗅覚障害や味覚障害が挙げられる。

 

おおむねこれらの後遺症は中等症以上の患者にみられる。

 

新型コロナウイルスの「間接的な」健康への影響

コロナウイルスによる影響で、私達はたびたび行動制限にかかっている。従来とは異なる環境にいるわけだ。

 

これによりストレス社会にもなっている。運動不足にもなりやすい。ストレスがたまるとストレスホルモンが増えて、血糖値上昇につながるので要注意である。

 

また、失業者の増大や企業雇用の減少もストレスに拍車をかけている。女性の自殺者の割合が増加している(※)。DV(ドメスティックバイオレンス)のように在宅機会の増加は、在宅での暴力にも関与が疑われる。すなわち間接的に健康への影響が家庭にも多く影響していよう。

※2021年11月2日付日経新聞『働く女性の自殺が増加 21年版白書、コロナ禍も影響』

 

また、在宅ワークは自宅での単独生活を余儀なくしている。パソコンを利用した作業時間の多さも、結果としてメンタル面への影響が示唆される。パソコンを多く活用する機会が増えるとメンタル面での影響が少なくないという指摘がある。

 

また、自宅での在宅ワークは、集団社会で仕事をしていたころと比べて人間関係の欠如をうながし、孤立感を生じさせる。基本、間接的な影響はメンタル面から発生することが多いといえよう。

 

今後も当分ウィズコロナの状態が続くとみられるなか、先行き不透明な状況に加えて、度重なる緊急事態宣言による行動制限、経済活動の停滞、コミュニティの変容など、社会は多くの不安要素を抱えている。

 

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本記事は、最先端の「自分磨き」を提供するウェルネスメディア『KARADAs』から転載したものです。