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最大3分…短い動画で拡散性に優れる「TikTok」
TikTokのメインユーザー層:10代
〈特徴〉
スマートフォン向けの動画投稿プラットフォームで、日本では2017年8月からサービスが開始された、比較的新しいSNSです。
10代を中心とした若者の間で急速に広がり、2019年にはアクティブユーザー数が950万人を突破しました。総務省が発表した「平成30年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書概要」によると、10代の39%がTikTokを利用しているといいます。
投稿できる動画の長さは最大3分となっており、ユーザーは気軽に動画を楽しんでいます。若者の間では、音楽に合わせて口パクする「リップシンク」や、ダンス動画を投稿するのが定番となっています。
機能面での大きな特徴は、動画の作成、加工、投稿から閲覧まで、すべてアプリ内で完結するという点です。特に、倍速やスロー撮影、フィルターによる加工などの編集作業が専門的な知識や技術がなくともでき、その手軽さが投稿者を増やしていると考えられます。
TikTokでは、アプリを立ち上げるだけで、ユーザーからのさまざまな投稿が表示されるようになっており、フォローやハッシュタグ検索などを駆使して自分で情報を探さなくても投稿動画に触れられます。ユーザーがどんな動画をよく見ているかを分析し、好みに合った動画を表示するレコメンド機能も搭載しています。
動画に対するリアクション機能も、いいね、コメント、フォロー、シェアと多彩で、気に入ったものがあれば、Twitterなどほかのアプリにも簡単に共有できるため、情報が拡散するスピードが速いです。
TikTokには広告表示機能があり、イベントの広告にも使えます。ユーザーが若者に集中しているため、イベントのターゲットが10代である場合は特に、集客につながりやすいといえます。
最近は、企業のSNSアカウントが、自社商品やサービスのプロモーションのため、ユーザーに対してハッシュタグがついた特定の文章の投稿を促す「ハッシュタグチャレンジ」が流行しています。ユーザーは、ハッシュタグのついた特定の投稿をするだけで、企業がプロモーションのために開催しているキャンペーンに参加できます。
このようなプロモーション方法はあるのですが、イベントへの集客という点でいうと、ほかのSNSに比べ活用事例がそこまで多くありません。私もTikTokを知ったのは早かったのですが、自分自身を使って発信することに恥ずかしさを感じてしまい、なんとなく遠ざけていました。
現状ではイベントアカウント公式での、TikTokの投稿で「いいね」を獲得できても、その後のSNSに波及しにくいため、イベントにどう活用し、どのように誘導するのかは、課題の一つといえます。
ただそれはいい換えれば、「ライバルが少ない」とも考えられますから、競争相手が少ないうちにチャレンジするべきなのかもしれません。