日本の65歳以上の割合は30%に迫る勢い。そんな高齢者の暮らしぶりはどのようなものなのでしょうか。総務省の調査などから紐解いていきます。
年金だけでは苦しいです…高齢者「年間40万円の赤字」の暮らしぶり (※写真はイメージです/PIXTA)

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年金暮らしの高齢者夫婦…月3万円、年40万円は貯蓄を取り崩し

総務省「人口推計」によると、2021年10月1日現在、日本の総人口は1億2,512万人。そのうち、65歳以上の高齢者は3,639万人で、全人口の29.1%、75歳以上は1,882万人で全人口の15.0%、85歳以上は648万人で全人口の5.2%となっています。

 

約3人に1人は高齢者という日本。その暮らしぶりはどのようなものなのでしょうか。総務省『2020年家計調査家計収支編』で、年金と貯蓄の取り崩しで生活しているだろう、高齢者夫婦(夫65歳以上、妻60歳以上のみの無職世帯)ついてみていきましょう。

 

実収入25万7763円、そのうち公的年金は21万6,574円。また実支出は25万9,304円で、消費支出は22万7,347円。黒字額は-1,541円でした。

 

ただ2020年は1人10万円の給付金があったため、2019年の家計についてもみていきます。

 

2019年の高齢者夫婦世帯の実収入は23万7,659円、そのうち公的年金は21万5,288円。また実支出は27万0,929円、そのうち消費支出は23万9,947円。黒字額は-3万3,269円でした。

 

【高齢者夫婦の平均的な家計】

「実収入」23万7,659円(25万7763円)

そのうち「公的年金」21万5,288円(21万6,574円)

 

「実支出」27万0,929円(25万9,304円)

そのうち「消費支出」は23万9,947円円(22万7,347円)

 

「食費」6万6,458円(6万6,131)

「住居」1万3,625円(1万4,224)

「光熱・水道」1万9,983円(1万9,810)

「家具・家事用品」1万0,100円(1万0,453)

「被服及び履物」6,605円(4,789)

「保険医療」1万5,759円(1万6,158)

「交通・通信」2万8,328円(2万8,475)

「教育娯楽」2万4,804円(2万0,155)

「その他消費支出(理容サービス、交際費、仕送り等)」5万4,806円(4万7,149)

 

「黒字」-3万3,269円(-1,541円)

 

出所:総務省『家計調査家計収支編』

※夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦だけの無職世帯

※数値左:2019年、数値右:2020年

 

2020年は給付金の効果もあったのでしょう、月々の赤字は1,500円程度ですんだようですが、給付金などなかった2020年は月々3万3,000円ほど、年間40万円ほど不足。足りない分は貯蓄の取り崩しをしないと暮らしていけない……それが一般的な高齢夫婦の実態のようです。