同じ大学に通っていたのに、気が付けばずいぶんと差がついたなあ……。同級生と自分と比べて、こう考えたことがある人も多いのではないでしょうか。漠然と他人と給与を比べて、落ち込むことも。果たして、勤める会社によって、どれほどの給与に差がつくのでしょうか。厚生労働省の統計から、企業規模に注目して考えていきます。
同じ大卒でもこれほど年収が違うとは…「大企業」と「中小企業」の酷い給与格差 (※写真はイメージです/PIXTA)

なぜ大企業と中小企業の給与差はここまで大きいのか?

大卒という同じ立場ながら、生涯で8,000万円を超える収入差。もちろん、大企業、中小企業といっても、事情は異なりますし、中小企業でも高賃金で有名なところもあります。しかし、全般的には大企業のほうが有利であるというのは明確な事実です。

 

なぜ、ここまで大企業と中小企業で差が生じてしまうのでしょうか。中小企業による『令和元年中小企業白書』をみると、大企業と中小企業では従業員一人当たり付加価値額(労働生産性)に2.5倍近くのが差が生じていることがわかります。

 

また国際比較においても、日本企業の労働生産性は、OECD加盟36ヵ国中21位とOECDの平均以下。首位のアイルランドの半分程度の水準です。さらに2015年~2018年における労働生産性の平均上昇率はマイナスを記録。OECD平均を大幅に下回り、加盟36ヵ国中35位となっています。

 

日本の企業の9割以上が中小企業という状況から考えると、世界的に日本企業の労働生産性が低いのは、中小企業の労働生産性の低さによるところが大きいといえるでしょう。

 

労働生産性が低いことには、従業員の給与があがるはずもありません。「中小企業から搾取する大企業」という構図が問題視されることもありますが、中小でも高収益、高給料を誇る企業があります。

 

昨今、DX化の推進などで、労働生産性向上を目指す動きが加速しています。それは中小企業も同様です。その流れに乗り遅れる企業は淘汰されるといわれていますし、政府もこれまでのように中小企業を無条件に支援することはなくなるともいわれています。

 

――うちは下請けだから

 

そんな愚痴が聞こえてくる中小企業からは脱出しないと未来がない時代は、すぐそこまで迫っているのかもしれません。自身の給与をあげるためにも、次の一手を考えなければいけないタイミングです。